鹿児島県議会 > 2017-09-26 >
2017-09-26 平成29年第3回定例会(第5日目) 本文
2017-09-26 平成29年第3回定例会(第5日目) 名簿

  • "自転車"(/)
ツイート シェア
  1. 鹿児島県議会 2017-09-26
    2017-09-26 平成29年第3回定例会(第5日目) 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前十時開議    △ 開  議 ◯議長(柴立鉄彦君)ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付いたしております議事日程のとおりであります。       ━━━━━━━━━━━━━  議 事 日 程  一、開  議  一、一般質問    東   清 剛 君    き 久 伸一郎 君    ふくし山ノブスケ君    瀬戸口 三 郎 君  一、散  会       ━━━━━━━━━━━━━ 2    △ 一般質問 ◯議長(柴立鉄彦君)一般質問であります。  通告に従って、順次発言を許可いたします。  東清剛君に発言を許可いたします。
       [東 清剛君登壇](拍手) 3 ◯東 清剛君 皆様、おはようございます。日置市区選出、無所属の東清剛でございます。県議会議員になりまして、五回目の一般質問をさせていただきます。  本日は、日置市などからバス二台で七十人近くの皆様が傍聴にお越しくださいました。私の家内、娘夫婦、そして母親も来ております。一所懸命質問しますのでよろしくお願い申し上げます。  それでは、通告に従いまして順次質問させていただきます。  まず初めに、県民生活関係の質問です。  三反園知事は、平成二十九年度当初予算の主な施策の一番初めに、子育て支援、すなわち、子供を安心して産み、育てられる環境づくりに力を入れると言っておられます。保育所、幼稚園、認定こども園待機児童解消も大変重要な問題だと認識しておりますが、小学生の放課後児童クラブに対する支援も大切であると私は思います。  国の子ども・子育て支援法等の改正により策定された、放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準と放課後児童クラブ運営指針に基づき、鹿児島県内の市町村におかれましても、学童保育事業推進へ向けて、課題を抱えながらも充実に向けた取り組みがなされてきています。  しかしながら、鹿児島県においては、放課後児童クラブの運営面の厳しさ、認知度の低さ、支援員の処遇環境、施設面の整備など、さまざまな課題が指摘されているところです。  そこでお尋ねします。  県内の放課後児童クラブの設置数などの現状と主な課題及び県の取り組みについてお示しください。  次に、危機管理関係の質問です。  名前は知っている方も多いAED。それだけ世の中に普及してきているのでしょう。ただ、それがどういうものかを正しく理解している人はまだまだ決して多いとは言えないのが現状です。AEDとは、日本語で言うなら自動体外式除細動器と訳します。心臓発作を起こした人の心臓が震えている状態のときに電気ショックを与えることで、自動的に心臓の働きを正常に戻すための機械です。  AEDは一九五〇年代からありましたが、ただ、そのころは医者や救急救命士だけに使用が認められていました。厚生労働省から一般の人も使用が認められたのは、二〇〇四年からです。わずか十年ちょっとで、病院に搬送されるまで処置できずに失われてきた命が救われるようになったのです。  そこでお尋ねします。  鹿児島県内におけるAED設置状況並びに講習会の開催状況と取り組みについて、また、学校現場でのAEDの取り組みについてお示しください。  次に、九月十五日に、北朝鮮による日本上空を通過する弾道ミサイルが発射されました。先月二十九日に次ぐ暴挙で、今月三日には六回目となる核実験を行うなど、北朝鮮は挑発行動を繰り返しています。ミサイル発射のたびに、戦時中の空襲警報のようなJアラートが繰り返される日常。戦後生まれの世代は戸惑いを覚えます。しかし、Jアラートによる緊急情報は非常に重要なものであり、国においても、今後、情報伝達訓練を定期的に行うと聞いているところです。  そこでお尋ねします。  今回、国が実施しようとしているJアラートによる情報伝達訓練の内容をお示しください。  また、Jアラートが作動し、市町村の防災行政無線屋外スピーカー等から緊急情報が流れた場合、県民のとるべき行動についてお示しください。  次に、災害への備えをどう進めていけばよいのか、急増する外国人の災害対策を考えます。  外国人の中には日本語が通じない人もいますから、大事な問題です。国や自治体も急ピッチで対策を進めているところですが、災害はいつ起こるかわかりません。そして災害が起きると対応を迫られるのは、外国人の近くにいる私たち県民です。実際にどう対応すればいいのか、特に、重要な言葉やコミュニケーションの問題が重要と考えています。  現在、日本に暮らす外国人は二百三十万人です。最近の特徴としては、ベトナム人やネパール人の増加が顕著です。外国人は、国籍も文化も言葉も、そして日本語の力も多様化しています。一方、日本を訪れる観光客は、去年二千四百万人になりました。日本の災害事情について知らない短期滞在者が急増しています。そうした人たちの安全をどう確保できるか、大きな課題です。外国人の方が周りにふえていますから、どうすればよいのかを考えておく必要があります。その際に忘れたくないのは、災害時、外国人は災害弱者だということではないでしょうか。  そこでお尋ねします。  県内に住む外国人を災害時の通訳ボランティアとして活用できないか、見解をお示しください。  次に、学生消防団員について質問します。  近年、消防団員が減少し、平均年齢の上昇が進む中、大学生、専門学生等、若い力の消防団活動への参加が強く期待されています。そんな中、各地で大学生、専門学生等を消防団員として採用しようという動きが広まりを見せており、平成二十八年四月一日現在で三千二百五十五人の学生団員が活躍しています。  学生の消防団への入団促進の取り組みは年々広がっており、消防団にとって、組織の活性化、次世代の担い手育成などさまざまな効果があるだけでなく、入団する学生にとっても、知識や技術を習得できるとともに地域社会の一員として誇りを感じることができる、そういうメリットがあります。  そこでお尋ねします。  県内の学生消防団員数学生消防団員の加入促進のための取り組みについてお示しください。  次に、土木関係の質問です。  水銀による地球規模での環境汚染を防止するため、水銀に関する水俣条約が平成二十九年八月十六日に発効されました。それに伴い、水銀による環境の汚染の防止に関する法律が同日に施行されました。これにより、道路照明の水銀灯を含む特定水銀使用製品が平成三十二年までに製造禁止になったところです。  鹿児島県内にはたくさんの水銀灯の道路照明があります。最近の道路照明はLED照明になっているようです。LED照明の寿命は九万時間で、一度設置すれば十年間は交換しなくても済むそうです。低圧ナトリウムとLEDを比較しますと、設備投資費では九割、電気代では八割から九割の差ですが、交換で一割から二割も差があることから、道路照明灯具維持管理費は、LEDにすることで従来の四割から五割の範囲内でおさまるとのことです。  そこでお尋ねします。  県管理道路における道路照明のLED化についてどのように取り組まれるのか、お聞かせください。  次に、日本三大砂丘吹上浜の海岸侵食と海砂採取について質問します。  吹上浜は、薩摩半島西部のいちき串木野市から日置市、南さつま市にわたる約五十キロの砂浜であり、日本三大砂丘の一つとして全国に知られております。広いところもありますが、一部では侵食が進んで狭いところもあるようです。  そこでお尋ねします。  一点目は、以前の土木部長の答弁で、「吹上浜においては、中長期的な変化状況を把握するため調査を実施している」とのことでしたが、最新の調査結果では海岸の侵食状況はどうなっているのか。また、海砂採取が海岸侵食の原因ではないかと考えますが、海岸侵食と海砂採取の関連性についてお聞かせください。  二点目は、海岸侵食により浜崖ができているところがあると地元の住民から聞いておりますが、どのような対策をなされているのか、お聞かせください。  次に、県道谷山伊作線の伊作峠の交通安全対策についてお尋ねします。  県道谷山伊作線は、鹿児島市と旧吹上町を結ぶ道路であり、農林水産業の振興や観光振興などに大きく寄与しています。また、災害発生時の避難道路、さらには、住民生活における通勤・通学、通院などに欠かせない生活道路となっています。  同路線は、登坂車線など整備も進められ、改良済みとなっていますが、急カーブ区間が取り残されています。地元から、霧が発生したときはとても運転しにくく怖い思いをしたと、不安の声も多く聞いているところでございます。  そこでお尋ねします。  県道谷山伊作線の伊作峠における、霧が発生したときなどの交通安全対策についてお聞かせください。  次に、県道山田湯之元停車場線の整備状況について質問します。  県道山田湯之元停車場線は、鹿児島市旧郡山町から日置市東市来町湯之元交差点までの道路です。この道路は、地元住民の通勤・通院になくてはならない重要な道路です。現在、東市来町皆田地区一・二キロメートルにおきまして、道路の拡幅工事が進められておりますが、地元の皆さんが一日も早い完成を望んでおられます。  そこでお尋ねします。  県道山田湯之元停車場線の皆田地区の整備状況をお示しください。  次に、日置市内を流れる二級河川神之川の河川改修についてお尋ねします。  この件につきましては、平成二十九年第一回定例会の一般質問でも取り上げましたが、再度質問します。  平成五年の八・六豪雨災害から二十四年が経過しました。現在、神之川の下流から中流にかけて河川改修が進んでいます。  先日、二十四年前浸水被害に遭われたお宅に行きまして、「県のほうから何か説明がありましたか」と尋ねたところ、「最近は何もない」との返事が返ってきました。「大雨が降ると心配で夜も眠れない。早く用地と建物の移転費用をくださるとありがたいのだが。そして、家のほうも老朽化しているし、建てかえとなると、年齢も上がるし、気力も体力もなくなる」と悲痛な思いで言っておられました。  国からの予算が来ないと河川改修が進まないのもわかりますが、浸水被害があってから、もう二十四年の月日が過ぎております。県の誠意ある対応をよろしくお願いいたします。  そこでお尋ねいたします。  二級河川神之川河川改修状況の進捗率について、詳しくお示しください。  以上で、一回目の質問を終わります。 4 ◯県民生活局長(中山清美君)放課後児童クラブの現状と課題、取り組みについてであります。  本県の放課後児童クラブは、平成二十八年五月一日現在で四百六十六カ所、登録児童数は一万七千六百七十三人で、前年と比べ四十五カ所、千六百八十二人の増であり、年々増加しております。  課題として、現在、七市町で四百七十二人の待機児童の解消に向けた放課後児童クラブの設置促進、また、放課後児童支援員の確保及び処遇改善、運営面の改善などが挙げられます。  このため、国では、平成二十八年度から、待機児童解消のための施設の新設・改修の補助率かさ上げを、平成二十九年度は、支援員の賃金改善への補助制度の創設や運営費の補助基準額の増額を行いました。  県としては、これらの補助制度を周知し、市町村の積極的な活用を促すとともに、余裕教室等の活用など、クラブ整備の促進や支援員資格所得者をふやすための周知広報などを行っております。 5 ◯危機管理局長(田崎寛二君)AED設置状況並びに講習会の開催状況と取り組みについてであります。  AEDについては、平成二十九年一月一日現在で、公共施設や学校など四千四十一施設に四千四百五十七台設置されております。  県民へのAEDの講習については、各消防本部や県防災研修センターで実施されており、平成二十七年は、小学校高学年以上を対象とする救急入門コースや住民向けの救命講習等において、延べ千三百三回、二万九千七百七人が受講したところであります。  県といたしましては、今後とも、消防機関や関係機関等とも連携し、県民の受講機会の拡大が図られるよう取り組んでまいります。  Jアラート情報伝達訓練の内容と作動時の県民のとるべき行動についてであります。  国から要請のあったJアラート情報伝達訓練については、市町村の防災行政無線等を起動し、住民まで確実に情報伝達されるか動作確認テストを行うものであり、十月から行われることになっております。  Jアラートが作動し、ミサイルが発射されたとの情報伝達があった場合、屋外にいる場合は、近くの建物の中や地下に避難すること、近くに適当な建物等がない場合は、物陰に身を隠すか、地面に伏せ頭部を守ること、また、屋内にいる場合は、できるだけ窓から離れ、できれば窓のない部屋に移動することが重要であります。  学生消防団員数と県の取り組みについてであります。  県内の学生消防団員数は、平成二十九年九月現在、霧島市ほか四市で十人となっておりますが、他県と比較すると少ない状況にあります。  これまで、県では、大学を訪問し、消防団への加入などについて依頼するとともに、各市町村に、学生消防団員の就職活動を支援する学生消防団活動認証制度の創設を要請しております。さらに、今議会に補正予算案として計上しております鹿児島県学生消防団員加入促進等事業において、学生消防団員等を対象に、災害対応に当たった経験者の講話や放水訓練等を実施したいと考えております。  今後とも、これらの取り組みを通じ、学生消防団員の入団促進や活動の活性化に取り組んでまいります。 6 ◯教育長(古川仲二君)AEDの学校での取り組みについてでございます。  AEDについては、県内全ての公立小・中・高等学校、特別支援学校に設置され、各学校において、日本赤十字社、消防等の職員を講師とした教職員対象のAEDの取り扱いを含む、心肺蘇生に関する実技講習会が実施されております。  小学校では、AEDの役割や設置場所の指導に加えまして、倒れている人を見かけたら大人に知らせることを指導しているところです。中学校及び高等学校においては、保健体育の授業で人工呼吸、心臓マッサージやAED操作などを実習を通して理解できるようにしているところでございます。  今後とも、緊急時においてAEDを戸惑うことなく操作できるよう指導してまいります。 7 ◯PR・観光戦略部長(西 啓一郎君)外国人を通訳として防災に生かす取り組みについてでございます。  県地域防災計画におきまして、県は、平常時から、ボランティアへの参加の啓発やボランティア登録の円滑化に努め、また、災害発生時には、外国人を対象とした相談窓口を設け、生活相談への対応等を行うこととしており、その際は、県国際交流協会等を介して通訳ボランティアを配置することといたしております。  同協会では、災害時に対応可能なボランティアを登録しており、現在、外国人を含む四十二名が登録されております。  県といたしましても、留学生など在住外国人も含めた登録が促進されるよう、大学や国際交流団体などとも連携しながら、幅広く働きかけてまいります。 8 ◯土木部長(渡邊 茂君)県管理道路における道路照明のLED化についてです。  県管理道路には現在、約五千三百基の道路照明のうち、LED照明が約四百基あります。  国が策定したLED道路トンネル照明導入ガイドライン案によると、LED照明を採用する場合、ナトリウム灯と比較し経済性を確認することとされております。県では、道路照明を新設する場合、または、今後、製造が禁止される水銀灯を更新する場合などにおいては、同ガイドラインを適用した上で、道路照明のLED化を進めているところです。  続きまして、吹上浜の海岸侵食と海砂採取についてです。  吹上浜においては、中長期的な変化状況を把握するため深浅測量などの調査を実施しており、部分的な侵食や堆積の傾向が認められますが、海岸線全般には大きな変化は見られません。  海岸侵食につきましては、波浪や河川からの土砂の供給、構造物の影響等、複雑なメカニズムで生じるものであり、今後とも調査を継続し、海岸の変化状況の把握に努めてまいります。  浜崖などの部分的な侵食等に対しましては、現地調査を行い、必要に応じて保全措置を講じてまいります。  続きまして、県道谷山伊作線の伊作峠に霧が発生したときなどの交通安全対策についてでございます。  県道谷山伊作線の伊作峠では、年数回程度霧が発生している状況です。霧が発生したときなどの交通安全対策につきましては、車道を安全に通行できるよう、運転者の視線を誘導する視線誘導標や区画線の設置等が有効な対策であると考えております。  県といたしましては、現地の状況を踏まえ、区画線の引き直しや、必要に応じて視線誘導標の設置について検討してまいります。  続きまして、県道山田湯之元停車場線の整備状況についてでございます。  県道山田湯之元停車場線につきましては、隘路区間となっている皆田地区の一・二キロメートルにおいて事業を進めており、これまで、測量設計を終え、用地買収を行っているところです。本年度は、鹿児島市側の約百五十メートル区間の工事に着手する予定であります。  今後とも、地元の方々の御協力をいただきながら、早期整備に努めてまいります。  続きまして、二級河川神之川河川改修状況についてでございます。  神之川につきましては、下流の南神之川地区、中流の大田地区、上流の日置市街地部において、下流から整備を進めております。  南神之川地区については、神之川橋のかけかえや河道の拡幅が平成二十二年度に完了しています。大田地区につきましては、昨年度から河道の拡幅を行い、本年度から大渡橋のかけかえに着手したところであります。日置市街地部につきましては、大田地区の改修を進めた上で工事に着手することとしており、鋭意用地買収を進めているところです。  進捗率は、事業費ベースで約四四%であり、引き続き、浸水被害の解消に向けて整備推進に努めてまいります。    [東 清剛君登壇] 9 ◯東 清剛君 いろいろ答弁いただきました。  神之川につきましては、引き続き、地元住民の方も心待ちにしておりますので、どんどん進めていただきますよう御要望いたします。
     次に、農政関係の質問です。  まず初めに、全国和牛能力共進会についてです。  今月七日から十一日まで、宮城県仙台市で開催された第十一回全国和牛能力共進会宮城大会におきまして、鹿児島県の代表牛は、全出品牛九区のうち四区におきまして一位となり、全ての出品区の総合成績で競う団体賞におきましても総合優勝の栄冠を獲得され、名実ともに日本一に輝きました。また、今回は復興特別区として高校の部におきまして、県立市来農芸高校が鹿児島県代表として出品され、全国五位というすばらしい成績をおさめられています。  総合優勝を獲得した場面はテレビや新聞で大きく報道され、鹿児島のうれしいニュースとして、県民の皆様へ大きな感動を届けたと思います。鹿児島県の総合優勝という栄冠は、市来農芸高校の生徒さんを初め、若い世代の生産者が出場するなど、本県肉用牛に携わる若い後継者や担い手にとって、大変大きな刺激になったのではないでしょうか。  平成三十四年には、本県の霧島市牧園地区で第十二回全国和牛能力共進会鹿児島大会が開催されると聞いております。今回出品された肉用牛農家は、鹿児島県の肉用牛農家の代表というだけでなく、これからの本県肉用牛生産を担う後継者や担い手の模範となる方々だと思います。今回の第十一回宮城大会までの取り組みを基本に、第十二回鹿児島大会に向けての取り組みが必要と考えます。  そこでお尋ねします。  第十一回宮城大会で日本一を獲得されましたが、力を入れてこられた取り組みについてお聞かせください。  また、第十二回鹿児島大会での連覇に向けてどのような取り組みを考えておられるのか、お聞かせください。  次に、県産農林水産物の輸出について質問します。  県は、八月に、平成二十八年度の県産農林水産物の輸出額について公表されました。具体的には、輸出額は約百五十五億円と前年度に比べて約二〇%増加、五年間で約三倍に増加しているとのことです。その内訳は、牛肉等の畜産物が約七十三億円、養殖ブリ等の水産物が約六十九億円、丸太等の林産物が約十二億円という状況のようです。  本県は、言うまでもなく農林水産業が主要産業でありますが、TPPや日欧EPAなどの国際経済交渉の進展次第では、本県の農林水産業への大きな影響が懸念されるところです。このため、国においては、総合的なTPP関連政策大綱の中で、農林水産物の輸出拡大により、攻めの農林水産業を推進していくとしております。  このような中で、本県の農林水産物の輸出額が好調に増加していることは、これまで、県や関係団体の輸出拡大に向けた輸出相手国でのさまざまなPR活動や商談等を進めてこられた成果だと思います。  私も、日置市で農業に携わる一人として、この農林水産物の輸出拡大に注目と関心を持っているのですが、特に、日置市でも生産が盛んな牛肉は香港向け等を中心に輸出を拡大し、農産物のうち、お茶も頑張っているようです。日置市はお茶の産地でもあるので、今後の輸出拡大を期待しております。  そこでお尋ねします。  お茶以外の農林水産物については、具体的にどのような品目の輸出拡大を図ろうとしているのか、お示しください。  また、我が国は、海外のどの国よりもおいしい米を生産していると思っております。日置市も水田農業が盛んですが、高齢化を背景に担い手不足が進み、また、国の米政策の転換により、飼料用米や加工米等の生産拡大が進んでいます。今後も持続的な水田農業を続けるには、米の消費拡大とともに販路拡大を図る必要があり、その中でも、米の輸出は新たな販路として大いに期待できると考えております。  そこでお尋ねします。  本県におきまして、米と米の加工品の輸出があるのか、また、今後の輸出の可能性はあるのか、お示しください。  また、農林水産物の輸出拡大により、攻めの農業を進める国の考え方はよく理解できます。一方で、輸出にはさまざまな手続が必要であり、輸出国におきましても、信頼できる取引相手を確保する必要があります。このため、農業者みずから輸出に取り組む方は少ないのではないでしょうか。牛肉などは、食肉業者などが中心となり、輸出国での販路拡大や取引を行っていると聞いております。今後、農家みずからお茶や米などの農産物の輸出拡大を進めるためにも、何らかの支援が必要だと思います。また、農産物の輸出拡大が図られた結果、農家所得も向上するのが理想だと考えます。  そこでお尋ねします。  農産物の輸出拡大を後押しする施策はどのようなものがあるのか。また、輸出拡大に伴う農家所得向上は可能なのか、お聞きします。  次に、イチゴの生産振興について質問します。  八月二十日に三反園知事が日置市の中川地区にお越しくださいました。中川地区のイチゴ生産農家の施設の視察と意見交換会をしてくださいました。三反園知事におかれましては、暑い中、お昼の一時間半でしたが、本当にありがとうございました。まさに、知事の言われているふらっと政治を肌で感じることができました。  中川地区に来てくださいました歴代の知事は、鎌田要人知事、須賀龍郎知事に続き、三反園知事が三人目ということで、イチゴ生産農家の皆さんも大変喜んで、すばらしいおもてなしもしてくださいました。  中川地区のイチゴは、五十年以上の歴史があり、数年前までは生産者も減少傾向でした。しかし、最近では、新規のイチゴ生産農家がたくさん誕生して活気が戻ってきているようです。私の一歳五カ月の孫も、そして三反園知事もイチゴが大好きということで、あと三カ月でおいしいイチゴが生産されますので、ぜひまた、中川地区のイチゴのハウスにふらっとイチゴを食べに来てください。よろしくお願いします。  さて、イチゴの産地といいますと、平成二十七年では、一位が栃木県、二位が福岡県、三位が熊本県、鹿児島はといいますと二十一位でございます。皆さんが大好きなイチゴを鹿児島県としてももっと応援してもらいたいです。  そこでお尋ねします。  本県のイチゴの生産振興に向けた取り組みについてお示しください。  次に、薬用作物の生産振興についてです。  皆さんはミシマサイコを知っていますか。これはセリ科の多年草のことで、本州から四国、九州の日当たりのよい山野に自生し、夏に小さな黄色の花をたくさん咲かせます。その根は生薬で解熱や鎮痛作用があり、多くの漢方薬に配合されています。  本県では、薩摩半島を中心に平成二十七年より、ミシマサイコの鹿児島県薬用作物生産組合が発足し、耕作放棄地なども活用しながらミシマサイコの産地化を目指しています。ミシマサイコが鹿児島県の土壌で栽培可能なのか適応検証から始まり、現在では組合の栽培面積も徐々にふえてきております。また、ミシマサイコの栽培は比較的軽作業のため、高齢者でも継続して耕作でき、販路が確保されています。契約栽培であるという、よいところ尽くめです。私も鹿児島県に適した作物として大いに期待しております。  そこでお尋ねします。  本県の薬用作物の産地化に向けた課題と取り組みについてお聞きします。  次に、かごしまブランドの県域化の取り組みについて質問します。  鹿児島県では、安心・安全で品質のよいものを、量をまとめて安定的に出荷でき、市場や消費者から信頼される産地づくりを進めていると聞いております。加世田のかぼちゃを初めとする県内他産地のモデルとなる十九品目二十五産地をかごしまブランド産地として指定しています。  これらのかごしまブランド産地では、安心・安全や、より高品質なものを求める消費者志向等に対応するため、かごしまの農林水産物認証を取得するとともに、きんかん、たんかん、マンゴーなどの果実については、糖度・着色等の品質基準に基づいたブランド産品の出荷を行っているとお聞きしてしております。  そこでお尋ねします。  鹿児島県を代表するような農産物につきましては、産地間で連携するためにも、県域でのかごしまブランド産地指定が必要と考えますが、見解をお示しください。  次に、水土里サークル活動への支援について質問します。  水土里サークル活動とは、農村地域では過疎化・高齢化・混住化等が進み、農地や農業用水等の地域資源を守る共同活動の脆弱化が進んでおります。そこで、平成十九年度から、これらの保全管理活動を地域ぐるみで支えていく制度が始まり、本県では、この活動に水土里サークル活動という愛称をつけて推進しております。  平成二十三年度からは、これまでの共同活動支援に加えて、老朽化の進む農業用施設の長寿命化のための補修・更新等を行う取り組みを支援する向上活動支援も始まりました。また、平成二十四年度からは活動組織の広域化を推進されています。  そこでお尋ねします。  本県水土里サークル活動の広域化にどのように取り組まれているのか、これまでの取り組み状況と広域化の実績、今後の取り組みについてお聞かせください。  次に、警察関係についてお尋ねします。  まず、スクールサポーターについて伺います。  今年度、スクールサポーターの活性化に取り組んでおられますが、警察官OB等がスクールサポーターとして警察署に配置され、問題を抱える児童生徒及び保護者、学校関係者への指導・助言、非行防止教室・薬物乱用防止教室の指導・支援、校内外パトロール活動への支援、学校周辺における環境浄化活動など、学校における生徒の非行防止、健全育成、安全確保のための活動を行っています。  そこでお尋ねします。  スクールサポーターについては、ことし四月から増員されましたが、その後の効果的事例についてお示しください。  次に、現在、パソコンや携帯電話等の情報通信機器の急速な普及に伴い、情報通信技術を悪用した犯罪が増加しています。鹿児島県警察におきましても、ネットワークを利用したサイバー犯罪の摘発に努めていると思います。  最近のインターネット環境を取り巻く動向を見ていると、出会い系サイト利用の児童買春やインターネットショッピング詐欺など、インターネット利用に起因した犯罪やトラブルが多数報道されています。  そこでお尋ねします。  サイバー犯罪の被害防止対策として、学校なども、インターネット利用などでの危険性について出前講話しているようですが、年間何件ほど実施しているのか、お示しください。  次に、沖縄県警宮古島署の交通課の男性署員が、地元レンタカー業者を集めた会議で、中国人や韓国人にレンタカーを貸さないよう求めていたことが報道されました。「通訳不足を説明するものでしたが、不適切と言わざるを得ない」として、署長が八月二十九日付で本人を厳重注意しました。  署によりますと、会議は、八月二十四日に約十社が参加して署内でありました。署員は、事故対応を念頭に、「通訳をぱっと現場に向かわせることができない。中国語や韓国語を母国語とする外国人にはレンタカーを貸さないでほしい」という発言をし、英語圏の観光客への貸し出しを勧めました。韓国人が人身事故を起こした際に、通訳がおらず困ったためだといいます。署の交通課長が二十九日、会議の参加者に発言の意図を説明した上で謝罪しました。  そこでお尋ねします。  鹿児島県警で外国語を通訳できる人は何人いますか。また、外国人の対応も含めてお示しください。  次に、警察犬についてです。  和歌山県内では近年、警察犬の出動件数が全体の約七割超を占めています。一方で、民間の嘱託警察犬の指導手の高齢化、県警の直轄警察犬の費用など課題を抱えており、対策が急務になっております。和歌山県警鑑識課によりますと、県内の嘱託犬の不明者捜索は、ここ数年は二十件から三十件ほどで、十件ほどだった二十年から十五年ほど前と比べると増加傾向にあります。十年ほど前から、行方不明者の捜索が出動件数の約七割から八割を占めるようになったといいます。  警察庁によりますと、行方不明者の捜索の出動件数は昨年、過去十年間で最多の二千六百五件、そのうち約四割が認知症行方不明者だったということです。  そこでお尋ねします。  鹿児島県警における警察犬の頭数、確保の状況と今後の取り組みについてお示しください。  次の質問です。  オフロードバイクは、そもそも林道や河川敷などの荒れた路面を走るために開発されたバイクです。自治体によっては、災害時の緊急出動ができるようにオフロードバイクによる災害の先遣隊、つまり、災害直後に現地の様子をまずは確認する部隊を用意しているところもあるほどで、それほど災害時には有用なものであります。  そこでお尋ねします。  災害用オフロードバイクは県内に配備されているのか、県警と消防それぞれお示しください。  以上で、二回目の質問を終わります。    [知事三反園 訓君登壇] 10 ◯知事(三反園 訓君)お答えいたします。  第十一回全国和牛能力共進会に向けた取り組みについてでございます。  第十一回全国和牛能力共進会につきましては、生産者の方々が、本当に御苦労があった中で、懸命、必死に頑張っていただきました。全国和牛登録協会県支部、県経済連、JAなどの関係機関・団体と一体となって出品対策に取り組み、県議会の皆様方のお力添えもあり、悲願の日本一の栄冠に輝くことができました。  主な出品対策といたしましては、牛の姿形を審査する種牛の部につきましては、特に優良な繁殖用の雌子牛を県内に保留するための助成を行うとともに、農家の方々に対しましては、JA等の指導員を通して、きめ細かな管理指導、牛の調教方法等の習熟を図ってきたところであります。肥育牛の肉質を審査する肉牛の部につきましては、受精卵移植技術等を活用いたしまして生産された候補牛を、県内トップレベルの農家で肥育し、超音波肉質診断等を踏まえた管理指導の徹底を図ってまいりました。  また、今回の宮城会場までは遠距離で、出品牛の輸送ストレスが懸念されたことから、事前に搬送試験を行い、課題を確認した上で、搬送前に栄養補助飼料等を与えたり、運搬車にミストつき送風機を設置し、暑さ対策を施すとともに、県職員獣医師が同乗し、搬送中の出品牛の健康管理にも万全を期すなど、できる限りの対策を講じたところであります。  イチゴの生産振興についてであります。  八月下旬、日置市中川地区のイチゴ生産者の方々と意見交換いたしました。生産者からは、イチゴのブランド化や香港などへの輸出、施設整備への支援などについての要望をいただきました。私からは、イチゴのブランド化、輸出促進等に県としても最大限の協力をすることを、努力することを申し上げたところであります。  イチゴは、本県の施設野菜の中でピーマンに次ぐ産出額を誇る重要な品目であります。県では、これまで、国の補助事業等を活用した施設整備の支援、本県独自の優良品種の育成などのほか、育苗管理の徹底、土づくり、病害虫防除対策などの指導に取り組んできたところであります。  今後とも引き続き、イチゴ生産者の方々と一体となってブランド化を進め、国内外への販路拡大に努めてまいりたいと考えております。 11 ◯農政部長(川野敏彦君)第十二回全国和牛能力共進会に向けた取り組みについてでございます。  五年後の第十二回大会については、八月三日の全国和牛登録協会理事会において、霧島市牧園地区が開催地として正式に承認されたところです。  鹿児島大会に向けては、平成三十年度に和牛登録協会県支部や県経済連等から成る県推進協議会を、今回よりさらに一年前倒しで設立することとしております。また、出品対策としては、既に今年度から、種牛の部については、優良な繁殖用の雌子牛を県内に保留する対策や、肉牛の部については、肥育技術の実証などの取り組みを開始しているところです。  今後、関係機関・団体と第十一回大会の検証も進めながら、鹿児島黒牛のさらなる改良と出品対策に取り組んでまいります。  次に、県産農林水産物の輸出拡大に関し、具体的な品目や米の輸出可能性、県の支援策についてでございます。  県では、輸出に意欲的な農業者等に対し、海外バイヤーを招聘した商談会や海外量販店等で開催するフェアへの出展支援、輸出相手国の検疫条件等に対応するための栽培技術指導や加工施設整備の支援などに取り組んでおります。現在策定中の、仮称でありますが、農林水産物輸出促進ビジョンでは、本県の強みを生かして重点的に取り組むべき輸出品目等について検討することとしており、牛肉、お茶、養殖ブリ、製材品などを中心に検討を進めていくことになるものと考えております。  県産米の輸出については、既に一部の事業者が精米や米粉の輸出に取り組んでいるところであり、ビジョンにおける重点品目を検討する中で、今後の可能性などについても議論していきたいと考えております。  県としては、農林水産業を基幹産業とする本県にとって、輸出は新たな販路を確保するための重要な取り組みであると考えており、生産者の所得の向上等のためにも、引き続き輸出拡大に取り組んでまいります。  次に、薬用作物の産地化に向けた課題と取り組みについてでございます。  本県では、ガジュツやケールなどのほか、御指摘ありましたように、日置市等を中心にセリ科の多年草であるミシマサイコが栽培されております。  薬用作物は、医薬品や健康食品などに用途が限られることから、契約栽培の相手先を見つける必要があることや、求められる品質規格を満たすための栽培技術が確立されていないこと、使用できる農薬等が少ないことなどが課題となっております。県では、これまで、製薬会社と生産者とのマッチングを試みたり、農業開発総合センターに相談窓口を設置し、病害、土壌診断による技術指導などに取り組んできたところです。  今後とも、関係市町村等との意見交換を重ねながら、薬用作物の産地化を支援してまいります。  次に、かごしまブランドの県域化の取り組みについてでございます。  かごしまブランド確立運動では、かごしまを前面に打ち出した販売対策を推進するため、平成二十二年度からは県域でのブランド産地指定を進めております。これまでに、かごしまマンゴーやかごしま茶を県域指定したほか、本年五月には、サツマイモ、ソラマメ及び実エンドウについて、それまで地域単位でブランド産地指定していたものを、「かごしまさつまいも」などとして県域ブランドに指定したところでございます。  今後とも、農畜産物の生産・流通・販売を取り巻く環境の変化に対応し、さらなるかごしまブランドの確立に努めてまいります。  次に、水土里サークル活動組織の広域化についてでございます。  県では、これまで、シンポジウムや地域別の研修会等を通じて、組織を担うリーダーの確保や事務負担の軽減など、広域化の意義・メリットを周知し、広域化を推進しております。  水土里サークル活動は現在、四十一市町村の約六百六十組織で、活動面積は約四万三千ヘクタールとなっております。このうち、広域組織は年々増加しており、十八市町で二十八組織となっており、活動面積では、全体の三分の一程度を占める約一万五千ヘクタールとなっております。  県としては、今後とも市町村等と連携し、広域化の取り組みを推進してまいります。 12 ◯警察本部長(河野 真君)スクールサポーターの効果的事例についてであります。  本年四月から増員されたスクールサポーターについては、不審者に関する情報を把握し、小・中学校等に対し被害防止に向けた情報を提供した事案、登校していない児童の安否確認に関する相談を学校から受け、警察署員と連携した活動により安全を確認した事案などの成果を上げているとともに、新たに奄美署に配置されたスクールサポーターが、沖永良部署の小・中・高校を訪問したところであります。  今後も、学校と緊密に連携し、より一層、子供の安全確保と非行防止に努めてまいりたいと考えております。  サイバー犯罪の被害防止対策についてであります。  県警察では、情報セキュリティーに関する県民の意識の醸成やサイバー犯罪の現状、対策等の周知を図るため、小・中・高校の児童生徒や大学生、教職員、保護者または事業所などの職員を対象としたサイバーセキュリティ・カレッジを開催しております。平成二十八年中、百五十六回実施し、約二万人が受講しており、うち学校関係では、小学校三十回、中学校四十三回、高校十九回、大学三回を実施しております。
     今後も引き続き、サイバーセキュリティ・カレッジを実施してまいりたいと考えております。  外国語通訳の取り組みについてであります。  県警察では、部内通訳人を六言語二十七人指定し、部外通訳人を十一言語九十一人委嘱しております。交番等では、イラスト等を指さしして意思伝達を行うコミュニケーション支援ボード等を活用しているほか、今年度中には一部の交番等に翻訳機器を配備することとしております。  また、繁華街を管轄する警察署等に外国語対応が可能な職員の配置、一一〇番通報した外国人とこれを受理する通信指令室の警察官及び通訳人の三者で通話を行うシステムの運用、遺失・拾得届への英語併記などの対応を行っております。  警察犬の現状と今後の取り組みについてであります。  警察犬には、県警察が直接飼育する直轄警察犬と警察以外の方が飼育する嘱託警察犬があり、直轄警察犬は三頭体制で警察本部に配置しており、嘱託警察犬は本年度二十八頭体制で県下各地域の方々に嘱託しております。  県警察では、警察犬訓練所や嘱託警察犬の指導手等と綿密な情報共有を図りながら、優秀な警察犬の確保に努めているものの、離島など嘱託数の少ない地域もあることから、嘱託警察犬をふやせるよう、今後も指導手等との連携に努めてまいりたいと考えております。  災害用バイクについてであります。  県警察では、平成七年度以降、災害時に使用できるオフロードバイク十五台を警察本部、警察署に配備しております。県内での出動事例はありませんが、平成二十八年の熊本地震においては二台が出動し、被災状況や道路状況等の情報収集に従事しているほか、防災訓練等で活用しております。 13 ◯危機管理局長(田崎寛二君)災害用バイクについてであります。  県内の消防における災害時に使用できるオフロードバイクにつきましては、鹿児島市消防局に六台、霧島市消防局に三台、指宿南九州消防組合に一台、計十台が配備されております。 14 ◯議長(柴立鉄彦君)東清剛君。  持ち時間が少なくなっておりますので、どうぞその辺は御考慮ください。    [東 清剛君登壇] 15 ◯東 清剛君 いろいろ御答弁いただきました。  コメントは後ほどさせていただきます。  次に、県内のたばこの煙のないお店の取り組みについてお尋ねします。  鹿児島県では、肺がんや循環器疾患などの生活習慣病予防対策の一環として受動喫煙防止を推進するため、鹿児島市以外で、全面禁煙に取り組む飲食店または喫茶店をたばこの煙のないお店として登録し、ホームページなどを通じて県民の皆様に情報提供する制度を、平成二十六年三月から開始しています。  昨年九月の定例会でも質問しました。県内の各保健所ごとに登録店舗数をお聞きしましたが、一年たってどのくらいふえたのか、各保健所ごとにお示しください。  また、既に禁煙にしているのに登録していないお店もあると思います。商工会などの関係団体からの情報提供も含めて、連携してもらいたいと思います。これは要望です。  次に、教育関係の質問です。  特別支援学校学習支援ICT活用事業で、「実証研究校での研究成果を踏まえ、県内全ての特別支援学校にタブレット端末を整備し、児童生徒の障害や特性に応じた教育活動の充実を図ります」となっておりますが、特別支援学校におけるタブレットの導入状況と、タブレットを活用した指導とその効果についてお示しください。  次に、がん教育についてお尋ねします。  日本人の死因第一位となって久しいがんですが、基本的なことでさえ知らないことがたくさんあります。そのため、誰もががんになる可能性があるにもかかわらず、いざ診断されると頭が真っ白になるなど、うろたえてしまいがちです。家族ががんになったとき、どう向き合えばいいのか戸惑うことも多いと思います。  そこで、子供のころから、がんに関する正しい知識を持ってもらおうと、全国の小・中学校でがん教育が広がり始めています。子供たちががんについて学ぶことで、親ががん検診を受けるようになったり、食生活や喫煙を見直すようになることもわかってきました。  がん教育の大きな目的の一つは、がんについて正しく理解できるようにすることです。授業では、がんは身近な病気であることや、がんがどうやってできるか、予防、早期発見、検診、治療などについて学びます。そして、もう一つの大きな目的が、命の大切さについて考えることです。患者の気持ちを知ることで、お互いに支え合い、生きていく社会にするためにはどうすればいいかを考えます。  現在、新学習指導要領の中では、中学校において、がんについて明確に取り扱うよう示されたところでございます。文部科学省のスケジュール案では、中学校は平成三十三年度から完全実施される予定です。  そこでお尋ねします。  鹿児島県の学校現場でのがん教育の取り組みをお示しください。  次に、環境林務関係の質問です。  宮崎県議会の三十九人でつくる森林・林業活性化促進議員連盟は四月十八日、循環型の林業の確立と、五十年後を見据えた森林づくりに関する調査研究の報告書を河野知事に手渡しました。報告書では、県内のスギ丸太生産量が二十六年連続で日本一となり、今後も需要拡大が見込まれる一方、二〇一四年度の再造林面積は千五百七十九ヘクタールで、前年度比二百十一ヘクタール減少していることを指摘しました。再造林を推進するために、その後の下刈りも含めた市町村による造林補助の上乗せや、苗木の安定供給体制の整備、低コスト化などを挙げました。  また、担い手の確保も課題として、林業の魅力を発信することで林業関連学科のある高校などから若者の新規参入を促進するほか、森林ボランティアなど県民が参加しての森林づくりの重要性などを提言しました。  そこでお尋ねします。  本県の再造林に向けた取り組みについてお示しください。  また、林業担い手の確保・育成の取り組み状況についてお示しください。  六月二十八日に県森林組合連合会との懇談会がありました。私は、鹿児島森林組合の組合長とお話しする機会がありました。丸太は、志布志港までは遠いので、串木野新港からバルク船で中国にどんどん輸出しているとお聞きしました。確かに串木野新港からだと中国も近いです。  そこでお尋ねします。  串木野新港の木材輸出の状況とヤードの確保はどうなっているのか、お示しください。  以上で、三回目の質問を終わります。 16 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)たばこの煙のないお店のこの一年間の登録増加数についてであります。  たばこの煙のないお店については、本年八月末現在で三百七十店舗が登録されており、この一年間に八十四店舗増加しております。保健所ごとの増加数は、伊集院保健所十一店舗、同じく、加世田八、指宿二、川薩五、出水四、姶良二十一、大口十一、鹿屋二、志布志一、西之表八、屋久島七、徳之島四、名瀬増減なしとなっております。  保健所におきましては、飲食店の営業許可の新規・更新申請の際や、市町村、関係団体の各種会議等を利用して、制度の周知を図りますとともに、飲食店等への戸別訪問等による登録依頼を実施し、登録店舗の拡大に努めることとしております。 17 ◯教育長(古川仲二君)特別支援学校におけるタブレット導入状況等についてであります。  県教委では、平成二十七年度から、障害種の異なる特別支援学校三校において、障害の種類や特性に応じたタブレット活用に関する実証研究に取り組んだところでありまして、本年度は、全ての特別支援学校にタブレット等を整備いたしました。  実証研究では、弱視の児童が、タブレットで撮影した花の画像を自分の見え方に応じて拡大して、細かい部分までノートに記録することができたり、肢体不自由のために実際に楽器を演奏できない生徒が、タブレットの画面上にある楽器に触れて、さまざまな音色を出して音楽を楽しむことができるなど、障害の特性に応じた活用の有用性が多数報告されておりまして、タブレットの活用を通して、主体的に学習に取り組む児童生徒の姿が多く見られるようになってきているところでございます。  次に、がん教育についてでございます。  小・中・高校においては、がんの予防や検診に関する正しい知識、がん患者との共生のあり方について、発達の段階に応じた指導を保健の授業や学級活動等で行っております。また、がん教育の意義等について、国が作成したがん教育教材等を活用するなど、指導主事等会議において指導を行ってきているところでございます。  本年度は、国の事業を活用し、鹿児島東高校を研究校として研究授業や講演会を開催することとしており、その成果を県教委ホームページ等において県内の小・中・高校に周知し、学校での指導に活用することで、さらなるがん教育の推進に努めてまいります。 18 ◯環境林務部長(古薗宏明君)再造林に向けた取り組みについてであります。  本県の平成二十八年度の再造林面積は四百六十ヘクタールで、前年度の一・六倍となっております。今後、再造林をさらに推進いたしますため、再造林推進連絡会を核として、伐採情報をもとにした森林所有者に対する再造林の重要性の啓発や、伐採者と造林者との連携による伐採から植栽までの一貫作業の取り組みを一層強化していくこととしております。  また、再造林や下刈りにおける負担を軽減するための支援を行っておりますほか、下刈りにつきましては、低コスト化・省力化を検証するための実証試験を行っているところであります。  今後とも、関係者と連携を図りながら、再造林の推進に取り組んでまいります。  林業担い手の確保・育成の取り組み状況についてであります。  林業担い手の確保・育成につきましては、まずは安定した雇用の場が必要でありますことから、林業事業体の経営体質の強化等を図りますため、長期施業の受託や高性能林業機械の導入に対する助成等を行っております。  また、新規就業者の確保・育成を図りますため、鹿児島きこり塾のほか、林業関連学科のある高校の生徒等を対象とする現場実習や技能講習等を実施しております。あわせまして、林業就業者につきましては、みずから選択して受講できる林業技術研修や、自分の能力に応じて技術や知識を習得できる研修等により、キャリア形成を支援しております。  今後とも、県林業担い手育成基金等と連携しながら、林業担い手の確保・育成に努めてまいります。  串木野新港の木材輸出の状況についてであります。  木材の輸出につきましては、中国における梱包材等の資材需要の増加や、為替レートが円安傾向で推移したことなどから、丸太を中心に東アジア地域への輸出量が伸びてきております。  串木野新港におきましても、中国との距離が近いこと、必要な用地が確保できたこと、薩摩半島からは運搬が容易なことなどから木材の集荷が進んでおり、平成二十八年度の輸出量は約二万五千立方メートルで、前年度の約一・八倍となっております。 19 ◯土木部長(渡邊 茂君)串木野新港の木材ヤードの確保についてです。  串木野新港では、岸壁背後の野積み場が木材ヤードとして利用されています。同港の木材輸出量は、近年急激に増加していることから、これを効率的に利用する必要があります。  県といたしましては、地元市や林業関係者、荷役業者等の御意見を伺いながら、現在の利用状況を調査し、既利用地の効率的な活用などの対応を検討してまいります。    [東 清剛君登壇] 20 ◯東 清剛君 いろいろ御答弁いただきました。  お米もいい色をしてきました。あと二週間ほどで稲刈りが始まります。私の息子も二町七反歩の田んぼをつくっております。新規就農者で、次の時代の農業者として一生懸命、今、頑張っております。  そのような県民の皆様の希望の持てる社会、そして希望の持てる政治をこれからも目指していくことをお誓い申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手) 21 ◯議長(柴立鉄彦君)次は、き久伸一郎君に発言を許可いたします。    [き久伸一郎君登壇](拍手) 22 ◯き久伸一郎君 東議員の登壇では多くの傍聴者がおりましたが、私のときにはいつも一人、二人でございまして、そのうち、奄美群島から船をチャーターしまして会場いっぱい、整理券を配るぐらい声をかけさせていただきたい。そのような思いを含めまして、通告により質問に入らせていただきます。  まず、新たな県政ビジョンの考え方についてであります。  三反園知事体制で一年が過ぎました。前県政の中で平成二十年三月に策定されたかごしま将来ビジョンは、おおむね十年後を見据えたもので、将来ビジョン策定の考え方、時代潮流と鹿児島の主な特性、鹿児島が目指す将来の姿、挑戦すべき課題と取り組みの方向性、そして将来ビジョンの実現に向けて、この五つをもって構成され、「日本一のくらし先進県」を目指し、実施されてきたところであります。  具体的な挑戦すべき課題と取り組みの方向性として、十の挑戦と、地域編として七地域振興局・支庁単位での地域別将来ビジョンが示され、各般にわたり多岐に及ぶ施策が推進されてきたところであります。  このたび、過去の経緯等も鑑み、新体制で新たな県政ビジョンを、年度内の取りまとめを目標として段階的に骨子案策定が進められている折、これから各常任委員会等でも多岐にわたる調査、議論がなされるものと思われます。  ここで、何点かお尋ねいたしたいと思います。  新たな県政ビジョン策定に当たり、約九年にわたる前県政のかごしま将来ビジョンの実施状況と成果についてどのように評価されているのか。さらに、新たな県政ビジョン骨子案を整理する上で留意した点についてお示しください。  新たな県政ビジョンの策定については、十年後を見据え、時代の潮流として国際的・国家的潮流、そして産業的・経済的・文化的潮流を見きわめ、鹿児島の潜在的な特色を生かしていく考えが、この新たな県政ビジョンに反映できるようなコンセプトでなければならないと考えております。  今や、将来ビジョン策定時の約九年前と比べ、国際的・産業的潮流は大きく変化いたしております。一例として、国は、外国人観光客インバウンド政策で訪日外国人旅行者数を現二千万人から四千万人へ、そして二〇三〇年には六千万人を目標と定め、また、農林水産物の輸出額目標一兆円を前倒ししております。  外国人観光誘客対策として、本県は、来年夏の奄美・琉球世界自然遺産登録が実現しますと、国内初、唯一の世界自然遺産を二地区有する県となります。国内外観光客インバウンド施策として最も価値のある観光資源を国内外へ発信することができます。  また、本県の農業産出額約四千四百億円の六割を占める畜産関連であります。御承知のように、近年の東アジア各国の経済・産業の勃興により、台湾はいち早く日本からの牛肉輸入解禁を示しました。  このような観点からしましても、観光インバウンド政策や農林水産物の海外輸出は、新たな県政ビジョンの重要な施策の位置づけになると考えます。  これまでの将来ビジョンでは、熊毛郡・奄美群島地区の観光推進と農林水産業の振興は、地域編で具体的に示されておりました。このたびの新たな県政ビジョンでは、世界自然遺産と文化遺産を重要な柱にすべきと考えております。県の見解をお示しください。  次に、県財政再建と持続可能性についてお伺いいたします。  県の財政健全化への取り組みは、平成十六年度、約十三年前にさかのぼると考えております。当時は、国の三位一体改革に伴い地方交付税が大幅に減収となって、四百五十一億円の財源不足が生じるなど危機的な財政状況でありました。また、その後も、骨太の方針二〇〇六に示された、地方公務員人件費の大幅な削減、また、国の公共事業関係費や地方単独事業の削減などにも対応せざるを得ない状況にありました。  それらを踏まえて、県政刷新大綱などによる行財政改革が実施され、徹底した歳入確保と歳出削減の取り組みが行われる中、必要な施策については推進されてきたところであります。それらの取り組みにより、財政力指数、将来負担比率、実質公債費比率などの指標の一部が改善されるなど、行財政改革は一定の役割を担ってきたところであります。  また、国は、厳しい財政状況の中、財政健全化への着実な取り組みを進めるとともに、平成二十九年度の予算編成では、経済再生なくして財政健全化なしを基本として、今後さらに少子高齢化が進行する状況などを踏まえて、地方創生、一億総活躍社会の実現に向けて取り組んでおります。  そこで、県として、国の動向も踏まえ、これまでの県の行財政改革の取り組みの評価と、また、必要な施策を推進しつつ持続可能な行財政構造を構築する取り組みについての考え方についてお示しください。  あわせて、特に必要な施策のうち、平成二十七年度から取り組まれている鹿児島県まち・ひと・しごと創生総合戦略の進捗状況についてもお示しください。  本県の財政状況は依然として厳しいものがあります。全歳入予算のうち、依存財源の比率は六八・四%の五千五百三十七億三千万円であり、また、自主財源比率は三一・六%の二千五百六十二億三千万円であります。今後の新たな県政ビジョンを基本とする事業推進や、各地域から要望されている事業推進には対応困難になるのではないかと懸念いたします。国からの地方交付税や国庫支出金の増額確保はハードルが高く、今後も、県開発促進協議会等を通して、一般財源総額の確保等の要望を続けていかなければなりません。  その一方で、八月十日、平成二十八年度一般会計決算見込み等について公表がなされました。収入未済額が前年度末比六億五千四百万円、一〇・八%減の五十四億二千五百万円との発表であります。この収入未済額は極めて大きく、解消への取り組みは重要であります。  そこで、何点かお尋ねいたしますが、この収入未済額の債権の主なものについてお示しください。  また、未収債権の解消と未然防止に向けた取り組みは重要であります。その対策についての考え方をお示しください。  これにて一回目の質問といたします。 23 ◯企画部長(東條広光君)初めに、かごしま将来ビジョンの評価等についてであります。  平成二十年に策定しましたかごしま将来ビジョンにおきましては、安心して暮らせる安全な社会、快適で活力あふれる社会などを目指すべき姿として掲げ、持続可能な行財政構造などの課題と取り組みの方向性を提示したところであります。  県では、これに沿って各般の施策・事業に積極的に取り組み、行財政改革による財源不足の解消、こども総合療育センターの設置、高規格幹線道路など道路網の整備、共生・協働の取り組みの進展、明治日本の産業革命遺産の世界文化遺産登録などの成果を得たものと考えております。  新たな県政ビジョンでは、人口減少や少子高齢化の著しい進行、グローバル化や技術革新の一層の進展など、本県を取り巻く情勢の大きな変化に的確に対応していく必要があると考えております。  このため、このたびお示ししました骨子案の作成に当たりましては、新たに、本県の豊富な健康・長寿素材を、ウェルネスとしてパッケージで国内外に打ち出したいということ、人口減少、少子高齢化が進行する中にあっても地域の活力を維持・向上させたいということ、経済のグローバル化に積極的に対応する輸出促進等、魅力ある素材を積極的に生かしたいということ、さらに、IoTやAIなどの革新的技術を活用して、生産性の向上や地理的条件不利性を克服したいということなどについて留意したところであります。  また、骨子案では、本県の魅力や強みを再認識して積極的に生かしていきたいと考えておりまして、これを鹿児島のポテンシャルとして章立てしたところであります。  次は、世界遺産の位置づけについてであります。
     本県には、世界自然遺産の屋久島と世界文化遺産の明治日本の産業革命遺産があり、来年、奄美が世界自然遺産に登録されますと、国内で最多の三つの世界遺産を有することとなります。このことは本県にとって大きな強みであり、鹿児島のポテンシャルになると考えております。  御提言のありましたことにつきましては、お示ししたビジョンの骨子案では、個性を活かした地域づくり、奄美・離島の魅力の発揮・振興、PR、誘客促進などに関係してくるものと考えておりますが、いずれにいたしましても、その取り扱いにつきましては、ビジョン素案の作成の中で具体に検討させていただきたいと考えております。  次は、鹿児島県まち・ひと・しごと創生総合戦略の進捗状況についてであります。  本県では、昨年三月に鹿児島県まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、この戦略に基づき、国の交付金等も活用しながら、地域経済の活性化や農業・観光などの産業振興に係るさまざまな施策・事業を実施しているところであります。  この戦略では、施策等の進捗管理や効果等の検証を行うため、農林水産業の成長産業化や人材の環流・育成などに関する六十七項目の数値目標を掲げております。  戦略の進捗につきましては、県産農畜産物の輸出額を平成三十七年度に五十億円とする目標に対し、昨年度の実績は七十三億円と上回っておりますほか、相談窓口等を通じた県外からの移住者数を平成三十一年度までの五年間で累計三千人とする目標に対し、昨年度までの二年間の実績が約千五百人となるなど、六十七項目のうち五十項目については既に目標を達成し、または達成に向けて順調に推移しており、全体としてはおおむね順調に推移していると考えております。  なお、今月十一日に開催されました、総合戦略に関する効果検証に助言いただくための有識者懇話会におきましては、総合戦略の数値目標の達成に向けて、おおむね順調に推移しているとの御意見をいただいたところであります。 24 ◯総務部長(寺田雅一君)県の行財政改革の取り組みの評価及び持続可能な行財政構造の構築についての考え方についてでございます。  本県は、県政刷新大綱や行財政運営戦略に基づく取り組みなどによりまして、平成二十三年度以降、財源不足は解消しているところでございます。  一方、国は、内閣府の中長期の経済財政に関する試算におきまして、平成三十二年度に経済再生ケースで基礎的財政収支赤字を八・二兆円程度と見込むなど、国・地方を通じて厳しい財政環境にあり、今後、地方交付税等について厳しい調整が行われることが予想されるところでございます。  また、本県におきましては、扶助費が増加傾向にあることや公債費が高水準で推移することが見込まれることなどから、今後とも厳しい財政状況が続くものと考えておりますが、このような中で、県といたしましては、県勢の発展や県民福祉の向上に資する事業について積極的に推進しつつ、歳入・歳出両面にわたる行財政改革に徹底的に取り組んでまいる必要があるものと考えております。  続きまして、収入未済額の回収・未然防止の取り組み等についてでございます。  平成二十八年度末の収入未済額五十四億二千五百万円のうち、主な債権の収入未済額は、県税二十一億七千八百万円、中小企業支援資金貸付金十六億二千四百万円、行政代執行費用四億四千八百万円、母子父子寡婦福祉資金貸付金一億九千六百万円、農業改良資金貸付金一億八千百万円、県営住宅使用料一億五千六百万円となっております。  未収債権対策につきましては、庁内にプロジェクトチームを設置し、全庁的に取り組んでいるところでございます。  具体的な収入未済額の解消の取り組みといたしましては、県税について、県税徴収対策官の集中配置による個人住民税の徴収対策や、自動車税の給与差し押さえ徴収強化期間の設定などを実施しております。また、県営住宅使用料につきましては、長期・高額滞納者への法的措置の執行などを実施しているところでございます。  また、新規発生の抑制に向けた取り組みといたしましては、県税について、広報等を通じた納税意識の高揚を図りますとともに、コンビニ・クレジット納付などの納税環境の整備に努めているところでございます。  母子父子寡婦福祉資金貸付金や県営住宅使用料につきましては、口座振替制度の推進などを実施しているところでございます。  今後とも、未収債権の解消と新規発生の抑制に努めてまいりたいと考えております。 25 ◯き久伸一郎君 自席から、ちょっと違う視点で知事と総務部長へ、一、二点お伺いいたしたいと思います。  先般、行財政改革推進プロジェクトチームによって、平成三十年度の当初予算の財政収支の見通しが示されました。これはあくまでも仮試算ということで、この点は、平成二十九年度の当初予算をもとに、現時点で見込み得る範囲での試算ということであります。  そこで、歳入試算が、県税そして地方消費税清算金で二千三十八億円、地方交付税そして地方譲与税で三千三百五十九億円、その他八十二億円、合わせて歳入試算合計が五千四百七十九億円、これは前年度比率からすると十九億円多い試算となっております。その一方で、歳出は、人件費、扶助費、公債費、普通建設事業費と交付金、そして一般政策経費、これで五千五百五十七億円、これも前年度比とすると九十七億円プラスという試算になっております。  そこで、歳入試算から歳出試算を引くと、ここはマイナス七十八億円赤字、財源不足というふうになるわけですね、そういう試算が出ておりました。  財政の健全化、行財政改革という視点からしますと、入るを図って出るをいかに制するか、これは財政の定義であります。そこで、仮試算といえども、歳出面をいかに抑制していくかという考え方についてお尋ねします。  もう一点は、その一方で、歳入確保にもしっかり努めていかなければならないわけでありますから、御承知のように、本県の自主財源比率は三一・六%、依存財源が六八・四%、国の地方交付税や国庫支出金増額なんてこれは当てになりません。県として、努力次第で自主財源増額が微量でも確保できるとすれば、未利用の財産売却であろうかと思います。  そこで、現時点で、おおむねで結構ですから、未利用財産がどれだけあるのか。そして未利用財産の売却の考え方についてお示しいただきたい。  知事には、未利用財産売却の考え方について、部長には、歳出抑制の考え方、そして未利用財産がおおむねどれだけあるのかということをお尋ねいたします。 26 ◯知事(三反園 訓君)まずは、総務部長の前に、私のほうから少しお話しさせていただきたいと思っております。  現在、副知事をトップとする行財政改革推進プロジェクトチームをつくりまして、歳出カット、これまで行っていた事業の中でも、もう必要ではないものもあるのではないかと、そして、これまで行っていた事業の中で縮小すべきものもないかと徹底した行財政改革に今、取り組んでいるところであります。  そうした中で、歳出をカットする、御指摘のとおり非常に重要だと思っております。また、そうした中で、鹿児島県を成長させていかなければいけない。そういうこともまた一つあるわけであります。活性化させるために必要なものは財源として確保する必要があるということでありますので、厳しい財政の中でも必要なものに関しては歳出していくと、そういっためり張りのある財政運営を今後とも取り組んでいきたいと思っているところであります。  そうした中で、御指摘のとおり、未利用財産につきましては、今後の利活用が見込まれないものにつきましてはできるだけ早く売却することとしておりまして、売却が困難なものにつきましては、貸し付け等による有効活用を図ることとしているところであります。  今年度、売却が見込まれるものといたしましては、鹿児島臨海工業地帯一号用地、鹿児島臨空団地、旧警察学校跡地などがありまして、現時点で二十一億円の歳入を見込んでいるところであります。また、現在、売却に向けて調整中の物件もありまして、厳しい財政状況のもと、今後とも、歳入確保を図るために県有財産の積極的な売却等に努めてまいりたいと思っております。 27 ◯総務部長(寺田雅一君)歳出をどのような方法で抑制するのかといった点について、大きな考え方は先ほど知事から御答弁がありましたが、実務的な点を申し上げます。  現在、行財政改革推進プロジェクトチームにおきまして、歳出面では、施策の妥当性、有効性、効率性といった観点からテーマを設定して、それに沿った事務事業見直しを行っているところでございます。  具体的に申しますと、当初の目的を達成しているような事業の見直し、また、これまでの実績等を勘案いたしまして、規模を是正するような見直し、効率性を考慮しながら、時代のニーズに合った事業となるような見直し、部局横断的な事業統合・連携などによりまして相乗効果を生み出せるような見直し、こういったものを行う必要があるのではないかと考えておるところでございます。  今後、これらの事務事業見直しを初めといたしまして、歳入・歳出両面にわたる行財政改革の取り組みを着実に進めまして、当初予算編成につなげてまいりたいと考えているところでございます。  また、未利用財産については、一部を暫定的に活用しているものも含めまして、現時点で百件程度ございます。このうち、主なものを申し上げますと、農業試験場跡地、鹿児島聾学校跡地、住吉町十五番街区、鹿児島養護学校跡地、工業試験場跡地などがあるところでございます。 28 ◯き久伸一郎君 ただいま未利用財産の売却の考え方について御答弁いただきました。  先ほど知事のお話の中でありました、本県の財政状況が厳しいということはみんな共有いたしております。そういう中で、歳入・歳出をいかに円滑というか、バランスよくしていくためにも、そういったコンセプトも承知いたしておりますが、少しでも歳入を確保していくという視点に立ちますと、先ほど部長がおっしゃいました、るる未利用地がございます。今後、近隣の都市計画法とか、用途目的とか、いろんな法律もありますので、そこをしっかりと精査した上で、未利用地の売却に全力で取り組んでいただきたい。このように意見を述べさせていただきます。    [き久伸一郎君登壇] 29 ◯き久伸一郎君 それぞれ御答弁いただきました。  新たな県政ビジョン策定の考え方について、先ほども述べましたが、来年夏の奄美・琉球世界自然遺産が登録されますと、国内唯一、世界自然遺産二地区を有する、そして産業遺産、結局、鹿児島県は三つの遺産、これは最大の観光資源であります。  先般、全協室において、新たな県政ビジョンの骨子案の説明がございました。その第三章、鹿児島のポテンシャルの一には、魅力ある観光資源と明記されておりましたが、議論の中で、その部分に世界自然遺産、そして産業遺産というのをインパクトをつけて明記すべきではないかなと思うところであります。要望といたします。  引き続きまして、喜界町集中豪雨災害対応についてお伺いいたします。  喜界島では、九月三日の降り始めから五日までの総雨量が、多いところで五百八十八ミリに達し、五十年に一度と言われる大雨情報が出され、土砂崩れによる道路の全面通行どめなど、甚大な被害をもたらしました。  集中豪雨後、公明党の松田議員も現地視察され、被災状況を調査されたと聞いております。  このたびの集中豪雨は、人的被害こそなかったものの、県道、農道、キビ畑、床下・床上浸水など多岐にわたる課題が抽出され、制度上、改正・見直しせざるを得ない状況であるということを痛感いたしたところであります。  地元自治体や県も被害状況を調査・把握され、国のほうへ災害救助法の適用を要望されていると思います。  ここで、何点かお尋ねいたします。  まず、被害状況についてお示しください。  次に、今回の災害での災害救助法、被災者生活再建支援法の適用の可否についてお示しください。  さらに、今回の災害で半壊、床上・床下浸水された方たちへの支援のため、災害救助法、被災者生活再建支援法の適用基準の見直しが必要と考えておりますが、県の考えをお示しください。  池治集落では、集落前を走る県道下の暗渠が狭く、今回の豪雨により雨水があふれ出し、前回の台風や今回の豪雨で通行不能や床上浸水を起こしております。  今後、地球温暖化に伴う異常気象等により、集中豪雨は頻繁に起きるものと考えていかなければいけないと思います。暗渠などを異常気象に対応し、設計、改修すべきと考えますが、県の見解をお示しください。  続けてお伺いいたします。  地元負担を軽減するための激甚災害指定制度について、その指定要件と指定された場合の効果についてお示しください。  さらに、激甚災害指定基準も改正・見直しが必要と考えますが、県の見解をお示しください。  次に、奄美の世界自然遺産登録に向けた道路整備についてお伺いいたします。  第一回定例会一般質問にて、世界自然遺産に登録された後の産業振興に関する受け入れ体制や整備等について、産業別に質問いたしたところです。  今年三月七日に、世界自然遺産の保護担保措置となる奄美群島国立公園が指定されました。今後、観光客や交流人口がにわかにふえるものと思います。自然遺産推薦区域や国立公園区域への道路の安全性確保が急務と考えます。  そこでお尋ねいたしますが、地元十二自治体も主体的に取り組まなければならない点であります。まず、県道より国立公園、自然遺産推薦区域への取りつけ道路の位置づけ─管理─はどのようになっているのか。また、改修必要危険箇所の調査、改修への取り組み状況についてお示しください。  このたびの世界自然遺産候補予定地は、生態系管理型と環境文化型として生物多様性保全上重要な地域であることは、皆、共有されているところであります。  大和村と宇検村にまたがる湯湾岳や奄美市の金作原などを結ぶスーパー林道は、観光客にとって魅力あるルートであると考えます。  そこでお尋ねいたしますが、スーパー林道は何十キロメートルで、今日どのように活用され、道路の現状はどうなのか。また、景観と安全・安心を確保するためのスーパー林道の道路整備が重要と考えます。県の見解をお示しください。  また、景勝地の円滑な周回道路の視点と、災害時の避難・支援道路整備の観点から、市村と連携して、スーパー林道を起点として大和村側と奄美市住用町側の道路整備の検討はできないのか、お示しください。  次に、飲酒運転の現状と課題解決に向けた取り組みついてお伺いいたします。  県警といたしましても、長年にわたり飲酒運転撲滅に向け、道路交通法改正により多岐に及ぶ対策を講じておりますが、飲酒運転による事故、被害等は後を絶たない現状であります。  全国都道府県においても同様の事案が長年の課題となり、平成十一年、道路交通法等の改正、そしてその後の危険運転致死傷罪の新設、酒気帯び運転の基準値の引き下げ、刑法の有期懲役の上限引き上げ等、またその他の法改正等も実施されましたが、平成十八年福岡市で、飲酒運転による福岡海の中道大橋で悲惨な事故が発生、以来さらに道路交通法の改正強化が平成十九年、二十一年、二十六年、年次的に推進されてきてはおりますが、依然として、減少傾向にあるものの課題は残ったままであります。  ここで、何点かお尋ねいたしますが、これまでの飲酒運転による交通事故等の状況等についてお示しください。  また、酒を飲む側の責任だけではなく、提供者にはどのような刑罰があるのか。  県警として、飲酒運転根絶に向け多岐にわたり取り組んでおられます。まず、関係団体・機関と連携した対策、企業等に対して広報啓発活動の取り組み状況についてお示しください。  これにて二回目の質問といたします。    [知事三反園 訓君登壇] 30 ◯知事(三反園 訓君)お答えいたします。  喜界町の豪雨による被害状況についてでございます。  喜界島では、九月三日から降り始めた雨が、四日の午後には一時間に百ミリを超えるような、これまで経験したことのない豪雨となり、観測史上一位の雨量を観測したところであります。  この豪雨では、九月十五日現在、住宅の半壊と床上・床下浸水八十棟の被害や、道路、河川などの公共土木施設七カ所、農地・農業用施設二百カ所など大きな被害が発生したところであります。  十八日には、道路や農地被害などの現地を視察させていただきました。観光地の道路が陥没している、そして農地被害ということを直接私の目で見させていただきました。また、町長からも直接お話を聞いて、技術員の派遣を要請されたところであります。地域の皆さまが以前のように生活できるよう、地元とともにスピード感を持って対応するよう指示したところであります。  今後とも、国や町と連携し、一日も早い復旧に向けて全力を挙げて取り組んでまいります。  激甚災害指定の要件、効果等についてであります。  激甚災害は、耕地被害に係る災害査定見込み額等が農業所得推定額の一定割合以上となる場合に指定されております。被害の規模・程度に応じて、地域を特定せず災害そのものを指定するいわゆる本激と、災害ごとに市町村単位で指定する局激がございます。  激甚災害に指定されますと、国庫補助率のかさ上げや地方財政措置の拡充がなされます。局激につきましては、通常、年度末にまとめて指定されておりますが、市町村が激甚指定を受けて円滑な復旧に取り組めるよう、災害発生後の早期指定について、国に全力で要望してまいりたいと考えております。  被害を受けられた農家の方々が一日も早く営農を再開し、意欲を持って取り組めるように全力で支援してまいります。 31 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)喜界町集中豪雨災害に関する御質問のうち、災害救助法、被災者生活再建支援法の適用の可否、及び適用基準の見直しについてであります。  災害救助法及び被災者生活再建支援法は、それぞれ一定規模以上の災害を対象に適用されることから、その基準に達していない今回の喜界町の集中豪雨については、いずれの法律も適用されないところであります。  災害救助法及び被災者生活再建支援法に基づく国の制度につきましては、同じ災害により複数の市町村が被災した場合でも、災害の規模によっては法の適用を受けない市町村があること、災害のおそれがあり長期の避難を余儀なくされていても、家屋等に被害が生じていない場合は支援金の支給対象とならないこと、半壊世帯や一部損壊世帯は支給対象とならないことなどが課題であると考えております。  このため、県におきましては、被災者の立場に立った制度の見直しを行うよう、全国知事会や県開発促進協議会等を通じ、国に要請しているところであります。 32 ◯農政部長(川野敏彦君)集中豪雨等に対応した排水路の設計、改修についてでございます。  排水路等の農業用施設については、国の基準に基づき、十年に一回の大雨にも対応可能な設計となっております。その際に用いる基準雨量については、過去の降水量データに基づき、これまでも随時改定してきており、直近では平成二十一年度に改定したところです。  また、これまで整備した施設において、土地利用状況の変化等により排水路の能力が不足すると判断される場合には、関係機関と協議し、緊急性、重要度等を踏まえながら、計画的な更新や改修に努めているところです。  今後とも、気象条件の変化等に対応した排水路の整備を推進し、災害に強い農業・農村づくりに努めてまいります。 33 ◯土木部長(渡邊 茂君)奄美世界自然遺産登録に向けた道路整備についてでございます。  奄美地域における県道から国立公園、世界自然遺産登録推薦区域に向かう取りつけ道路については、市町村が管理する道路ですが、各道路管理者が平成八年から九年にかけて、のり面などの危険箇所を道路防災総点検として実施し、優先度の高い箇所から改修を実施していると聞いております。  また、市町村道であります奄美中央線は、奄美大島の中央部を南北に縦断する延長約四十一キロメートルの道路であり、奄美市、大和村、宇検村がそれぞれ管理しております。現状は、幅員五メートル未満で大部分が砂利道となっており、野生生物観察やトレイルランニングレースのコースとして利用されていると聞いております。  奄美中央線及び同路線を起点とする大和村側、奄美市住用町側の道路につきましては、それぞれの道路管理者が整備すべきであると考えております。  県といたしましては、市町村が補助事業を活用する場合の助言や事業実施に当たっての技術的支援などについて、奄美市、大和村及び宇検村と意見交換を行い、役割を整理し、連携して取り組んでまいります。 34 ◯警察本部長(河野 真君)飲酒運転の交通事故の現状と提供者への刑罰についてであります。  本県において、原動機付自転車以上の車両の運転者が飲酒していた交通事故は、飲酒運転の罰則が強化された平成十九年は百二十五件で、それ以降、減少傾向で推移し、平成二十五年は八十六件、平成二十六年は八十件、平成二十七年は七十六件、平成二十八年は七十七件で、本年は八月末現在、四十二件発生し、前年同期より七件減少となっております。  また、平成十九年の改正道路交通法で、飲酒運転を行うおそれがある者に対する車両の提供や酒類の提供の罰則が設けられ、車両提供罪については最高で五年以下の懲役又は罰金、酒類提供罪については最高で三年以下の懲役又は罰金がそれぞれ規定されております。同法の改正後、県内で車両提供罪十五件、酒類提供罪三件を検挙しております。  次に、飲酒運転根絶に向けた取り組み状況についてであります。  県警察では、交通安全協会等の関係機関・団体と連携した取り組みとして、飲酒運転8─やっ─せん運動やハンドルキーパー運動を年間を通じて展開しているほか、自動車学校における実車を用いた飲酒運転体験や、交通安全フェア等における飲酒体験ゴーグルを使用した参加・体験型の講習会の開催、飲食店に対して、飲酒運転根絶を訴えるコップやシールを配布するなどしております。
     また、企業等に対しては、安全運転管理者講習において、飲酒運転の危険性や代償を題材としたDVDの放映や、アルコールチェッカー導入による飲酒運転防止の呼びかけを行っているところであります。  今後とも、関係機関・団体と連携した対策や、企業等に対する広報啓発活動を推進するとともに、飲酒運転取り締まりを強化し、飲酒運転根絶に努めてまいりたいと考えております。 35 ◯き久伸一郎君 自席から、県警本部長、関係の皆さんに御要望というか御意見を述べさせていただきたいと思います。(発言する者あり)そういうことにいたします。    [き久伸一郎君登壇] 36 ◯き久伸一郎君 県警本部長並びに関係の皆様方に御要望、御意見を述べさせていただきたいと思います。  まず、その前に、七月二十二日南日本新聞に、本部長が警視監に昇任されたという記事が掲載されておりました。まことにおめでとうございます。長年にわたり国家・国民の治安維持に多大な御尽力を賜り、また、今回、昇任されたということでございます。心から敬意とお喜びを申し上げ、また、今後も、国民・県民の安全・安心に努めていただきますよう御期待いたします。  先ほど、飲酒運転の課題等について質問し、答弁いただきました。  平成十一年以降、道路交通法改正が年次的に行われまして、特に平成十九年の九月だったと思います。飲酒運転周辺者三罪、いわゆる酒類を提供した者、車両提供者、そして同乗者の罰則の新設であります。またその後も、平成二十一年、二十六年と法的罰則強化が行われております。  このような視点に立って、また県警の熱心な飲酒運転撲滅の取り締まりによって、先ほど県警本部長からも御答弁がありました、この十年ぐらいの飲酒運転による交通事故の推移を見てみますと、大体十年前ぐらいが百四十件台、そして減少傾向に至って、この三年ぐらいが横ばいで八十件台だったということであります。これはまさしく法的罰則強化の効果だと私は思います。  そこで、道路交通法改正等々の議論というのは当然中央の警察庁、例えば法務担当局とか政府のほうで決められるというのは重々承知いたしております。人の命は地球よりも重いという言葉がございます。今後、さらなる法的罰則強化が私は必要だと思います。一人でも多くの人命を救う手段として、この法的罰則強化の改正に向けて、皆が課題を共有していただきますように要望とさせていただきます。  それぞれ御答弁いただきました。  喜界島の集中豪雨災害対応についてであります。  災害救助法、被災者生活再建支援法、そして激甚災害指定について、この件につきましては、長年にわたり多くの議論をされてきたということを承知いたしております。年次的に状況に応じて改正もされ、なおかつ、課題に関しては国へ要望されているという御報告でもありました。  近年、毎年日本のどっかでか集中豪雨による甚大な被害が起きております。現在の制度基準、適用基準をさらに改正が必要になるのではないかなと私は思うところであります。  被災された方たち、そして一日も早い復旧・復興を願う地域のためにも、改正に向けてさらに議論、調査を行い、国へ要望していただくことを御要望いたしまして、一般質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手) 37 ◯議長(柴立鉄彦君)ここで、休憩いたします。  再開は、午後一時十五分といたします。        午前十一時五十九分休憩       ─────────────        午後 一時 十五分再開 38 ◯議長(柴立鉄彦君)再開いたします。  ふくし山ノブスケ君に発言を許可いたします。    [ふくし山ノブスケ君登壇](拍手) 39 ◯ふくし山ノブスケ君 県民連合の一員として一般質問を行います。  今回の質問のうち、持続可能な地域公共交通の確立と、教育行政─働き方改革・人材育成─の二項目につきましては、私のもとでインターンシップ体験中の学生さん四名が役割分担し、私や職員の方々とも議論しながらつくり上げた質問です。若い方々の率直な疑問や思いが盛り込まれていますので、それらの期待に応える、心に響く答弁をお願い申し上げたいと存じます。  ボリュームがありますので少し急ぎますが、御協力をお願いいたします。  高いポテンシャルを有する鹿児島市の評価と県の役割についてであります。  野村総合研究所は、地方創生の一つの理想像は、地方都市が、大都市に依存せず自立して世界と結びつき、外貨を獲得できるローカルハブになることと位置づけ、各都市の強み・弱みを明らかにし、ローカルハブとしてポテンシャルの高い都市を見きわめるため、選定した国内百都市を対象に、産業創発力の現状及び将来のポテンシャルを評価した結果を成長可能性都市ランキングとして発表しています。  鹿児島市が上位にランクされており、実績及び将来のポテンシャルを含めた総合的な産業創発力を示す総合ランキングで五位、実績とポテンシャルの差分で見た伸びしろのポテンシャルランキングで二位という結果です。  ランキングの特徴は、現在の実績だけでなく将来のポテンシャルも評価、統計データだけでなく、各都市の住民を対象とするウェブアンケートを実施し、情緒的な要素─他者への寛容度等─を指標化していることであります。  評価視点を項目別に見てみますと、高スコア、強みとなっているものは、地域の共助精神・コミュニティーの成熟が一位、移住・外部人材の受け入れ実績が二位、歴史・伝統とのふれあい六位、良好な都市環境六位、幸福感・街への誇り・愛着が十一位となっており、住民にとってのQOL─生活の質─が高いまちと言えます。  一方、低スコア、弱みとなっているものは、地域の経済力が八十三位、外国人の活躍八十六位、学術面の国際交流八十三位、教育・人材の充実五十五位、若者・女性の活躍六十一位となっています。  結果について、ポテンシャルは高いものの、それを実際のビジネスの集積に生かせていないのが現状で、ポテンシャルをビジネスの誘致・創出につなげていく仕組みが必要と総括されています。  今回の結果は、鹿児島市に限らず、県全体に共通する課題も浮き彫りにしていると思います。  いずれにしても、鹿児島市に対する今回の評価は、将来に希望を抱かせるものです。本県県都市として、鹿児島市の強みをさらに伸ばし、弱みについてはともに克服するという思いで臨む必要があると思います。  今回の結果を県としてどのように評価し、県の果たすべき役割として何があるか。特に、低い評価の経済基盤、主要企業の存在、人材の集積の面でどうか。  また、ポテンシャルの高さをどう生かしていくつもりか。今後、鹿児島市に何を期待するか、連携のあり方も含めてお聞かせください。  持続可能な地域公共交通の確立について伺います。  国交省は、一定の運行回数や輸送実績があり、複数の市町村を走る地方バス路線を支援する地域公共交通確保維持改善事業補助金について、現在、運行経費の四五%を上限に国と県が二分の一ずつ支援しているものを、二〇一八年度分から上限を四〇%に引き下げ、補助金が浮いた分については、利用促進に取り組んだ事業者を支援する仕組みに回すことなどの検討をし、運輸局ごとに事業者や自治体に説明を行っていました。理由は、補助金依存からの脱却と営業努力を促すのが狙いで、成果が上がれば補助金の減少分を取り戻せる優遇策も示しています。  しかし、赤字路線の多くは、採算よりも、利用する高齢者や学生らを初め交通弱者にとってなくてはならない生活の足として、住民の生活を守ることを最大の目的として運行されているものであり、人口減少で利用者が減る中、増収や収益改善は容易ではありません。  また、国交省は、都道府県協議会等が策定する生活交通確保維持改善計画に生産性向上の取り組みを盛り込むように通知しています。バス路線の維持には事業者や各地域の努力が求められることは当然ですが、生産性向上が路線・運行回数の削減のみになれば、利便性の低下や生活交通の喪失などを招きかねません。  バス路線の参入・撤退を許可制から届け出制にした規制緩和後も一定程度の路線が維持されてきたのは、この補助制度の存在が大きいと考えます。国の補助が減れば、当然、事業者や市町村の負担がふえることになり、事業者に大きな影響が出ることは必至で、財政状況が厳しい自治体からも肩がわりの増加を懸念する声が上がっていました。  この件は、国交省は、現時点では二〇十八年度分からの補助金カットは行わないこととしましたが、今後、再び議論の俎上にのせられる可能性のある問題として念頭に置いておかなければならず、国への働きかけも重要です。  以上のような国の動きも踏まえ、公共交通政策の充実は待ったなしの状況にあるとの認識から、以下伺います。  まず、本県バス会社の同事業における二〇一七年度補助金は何路線で幾らか。仮に上限が四五%から四〇%に引き下げられた場合の影響について示してください。  また、巨額の公共事業予算を持つ国交省ですが、交通基盤を整える上で確かに大切な道路整備への熱心な取り組みは理解いたしますが、住民の暮らしを考えれば、その一部をバス事業などに回す工夫も必要ではないかと考えます。今後、本県の置かれた公共交通環境に鑑みて、国への強い要請が必要と考えます。見解をお聞かせください。  基本的なことについても伺います。  地域の公共交通に関する協議の場として、地域公共交通会議、地域公共交通活性化再生法の協議会がありますが、それぞれの役割など概要と設置状況、協議の状況を示してください。  バス利用者の減少に伴い、営業収入が減少傾向にあり、さまざまな問題が惹起しています。このような中、厳しい経営環境改善のために、宮崎県の運輸事業者と路線バスによる客貨混載や、長崎のスクールバスが一般人も乗車できる混乗を導入するなどの取り組みがなされていますが、今回、計画に盛り込まれた生産性向上のための取り組みはどのようなものを予定しているのか、お聞かせください。  現在、バス等の運転手の中心は主に中高年層であり、世代交代が行われた後、現行のシステムを維持する人材が不足するおそれがあります。また、維持が可能であったとしても、労働環境がさらに悪化することが考えられますが、バス等の運転手不足に係る現状と対策について示してください。  輸送人員の減少は採算性に大きく影響を及ぼすため、公共交通事業者は不採算路線からの撤退を余儀なくされます。これは、逆にモータリゼーションの進行を促進することになり、さらに輸送人員の減少につながるという負の連鎖に陥ることになります。  また、バス事業者が路線廃止などを行うと、かわって市町村が運営主体となって過疎地域の交通網を維持しようとしていますが、現状では、高齢者が交通の不便を理由に免許証の自主返納をためらい、高齢のドライバーの事故が多くなりつつあります。  こうした地域における公共交通の未熟と高齢のドライバーが増加することに対する見解をお聞かせください。  以上で、一回目の質問といたします。 40 ◯企画部長(東條広光君)初めに、成長可能性都市ランキングの結果についてであります。  野村総合研究所が発表した成長可能性都市ランキングにおきまして、鹿児島市が上位にランクされたことは、市民にとって魅力ある都市であるとともに、高い潜在力を秘めた成長可能性都市であることを示す一つの評価であり、鹿児島市の都市イメージの発信の面でも大きな効果があったものと受けとめております。  なお、今回の調査については、県としても、今後の本県の地方創生を考える上で参考になりますことから、先月、調査を担当した研究員を講師に招き、職員等を対象としたセミナーを開催したところであります。  次は、県の役割、鹿児島市への期待と連携のあり方についてであります。  鹿児島市は、本県の県都として経済や文化の中心的な役割を担うことが期待されております。県全体の人口減少等が進行していく中で、鹿児島市が都市機能を高め、発展することは、県民生活の利便性の向上や県内各地の活性化にも貢献し、県全体の発展に寄与するものと考えております。  鹿児島市は、南九州の中核都市としての強みを生かす一方、今回、評価の低かった国際交流や経済の分野では、国際交流センターの整備や在住外国人との交流を進め、企業誘致やビジネスの創出を図るなど、地方創生を一層推進したいとの考えを示しているところであります。  県としては、こうした市の取り組みについて連携・協力しながら、県勢の発展を図ってまいりたいと考えております。  持続可能な地域公共交通の確立について、幾つかお尋ねがございました。  まず、地域公共交通確保維持改善事業におけるバス会社への補助金についてであります。  地域公共交通確保維持改善事業のうち、複数市町村にまたがる広域的・幹線的な路線への運行経費に係る今年度の県内バス会社への国庫補助金は、当初計画で八十二系統が対象であり、補助金額は約四億九千二百万円となっております。仮に、補助対象経費の上限が四五%から四〇%に引き下げられた場合には、国庫補助金額は約二千九百万円の減額になると試算されております。  次に、バス事業に係る補助金の国への要請についてであります。  本県は、離島や過疎地域が多く、過疎化・高齢化も全国を上回るペースで進行しております。このような中、県内バスの年間輸送人員はこの四十年間で約五七%減少し、また、県内全バス路線のうち八三・六%が赤字であるなど、路線の維持・確保が厳しい状況にあります。  県では、県開発促進協議会等を通じ、国に対し、バス事業の補助要件の緩和など財政支援措置を拡充するとともに、バス事業者や自治体の負担が増加しないよう必要な措置を講ずることなどを要請しているところであります。  次に、地域の公共交通に関する協議の場の概要と設置状況等についてであります。  地域公共交通会議は、道路運送法に基づき、地域の実情に応じた適切な乗り合い旅客運送の態様や運賃に関する事項等を協議するものであり、県内では二十二の会議が設置されております。また、地域公共交通活性化再生法の協議会は、地域全体の公共交通のあり方等を定める地域公共交通網形成計画の作成等を協議するものであり、県内では十五の協議会が設置されております。両組織は、市町村のほか、国や県、公共交通事業者、警察、道路管理者等が構成員となっており、必要に応じて適宜開催されることとなっているところであります。  次に、バス路線における生産性向上の取り組みについてであります。  今後も人口減少が見込まれる中で、持続可能な地域公共交通ネットワークの形成のためには、乗り合いバス事業の生産性向上の取り組みが不可欠であると考えております。こうしたことから、県では、ことし八月の県バス対策協議会での協議を経まして、新たに、生活交通確保維持改善計画に生産性向上の取り組みを盛り込んだところであります。主な取り組みとしましては、路線再編や運行ダイヤ等の見直しによる費用削減策、貨客混載や企画乗車券の販売等による収益増加策が挙げられており、今後、事業者と自治体等とが調整の上、取り組むこととしております。  次に、バス等の運転手不足の現状と解消の取り組みについてであります。  バス運転手を含めた自動車運転業務に係る全国の有効求人倍率は、全業種平均の約二倍であり、平均年齢も全業種平均より高いなど、バスなどの運転手不足や高齢化が進んできております。このような中、県内のバス事業者では、大型二種免許取得費用の助成による運転手の自社養成に加え、定年年齢の引き上げなどにより運転手の確保に取り組んでおります。また、国におきましては、高校を訪問し、バス運転手等の魅力をPRする取り組みを行っているところであります。  次に、公共交通の利便性低下と高齢ドライバーの増加に対する見解についてであります。  公共交通は、高齢者等の生活に不可欠な交通手段となっており、その安定的な確保は大変重要であります。そのため、県では広域的・幹線的なバスの運行経費等の支援、市町村ではコミュニティーバス等の運行等を行い、交通手段の確保等を図ってきているところであります。  県としては、引き続き、市町村と連携を図りながら、高齢者等の交通手段の維持・確保に努めてまいりたいと考えております。 41 ◯ふくし山ノブスケ君 知事に、一点お尋ねいたします。  今、鹿児島市の評価がございましたけれども、その中でも、情緒的な部分ではかなり高スコアになっているわけですが、むしろ、知事がいつもおっしゃっている経済基盤、それから人材の問題、こういったものが評価が低くなっているわけです。そういった意味でいうと、今の部長の答弁にも、これから鹿児島市との連携の話がございましたけれども、具体的にはここの強化のためにどのような取り組みをしていかれるのか、日ごろからお訴えになっておりますので、ぜひ見解をお聞かせいただきたいと思います。 42 ◯知事(三反園 訓君)鹿児島市は非常にポテンシャルに恵まれておりまして、私もいつも言っておりますけれども、鹿児島にはすばらしいものがたくさんある。そういった中で、今回、県政ビジョンの中にも、ポテンシャルを生かしてというところがあります。いわゆる人材もそうですけれども、観光の面もそうであります。来て見て感動するまちづくり、そういったものもどんどん進めていかなければいけないと思っておりますし、その中で、人材活用という中で、働きやすい環境、そして女性が社会進出する環境、つまり子育て支援にも力を入れていくことも必要になってくると思っておりますので、総合的にさまざまな分野において、活性化のために全力で取り組んでいきたいと思っております。  もう一つは、やっぱり鹿児島市との協力というものも必要になっていくと思っておりますので、今後とも、鹿児島市の森市長との間でさまざまな機会を捉えて会合を重ねておりますけれども、また、二人で会合することも月に一回ぐらいはありますので、そういったことも含めて、今後、まちづくりも含めて、緊密に連携を図りながら活性化に取り組んでいきたいと思っております。    [ふくし山ノブスケ君登壇] 43 ◯ふくし山ノブスケ君 今回の野村総研の成長可能性都市ランキングにおいては、情緒的な要素を指標化しているところが大きな特徴であります。この部分の充実については、幾ら努力しても一朝一夕にはなし得ない大変難しい部分であり、それが既に一定備わっていることは、鹿児島市、本県にとっても極めて重要なポイントだと考えます。  鹿児島県は、先日の全国和牛能力共進会で総合優勝を獲得したように、すぐれた農林水産物という海外に打って出て通用する最大の強みを持っています。それに加え、本県の屋台骨である鹿児島市の産業分野の充実・発展が図られると、鹿児島県全体が大きく飛躍していくものと思います。  全国どこでも、県と県都市とはライバル意識もあり、ややしっくりとしない関係となりがちですが、ここは、これまで以上に具体的に連携を図っていただくように御要請申し上げておきたいと思います。  地域公共交通についても答弁いただきました。  補助の引き下げによって路線の縮小や撤退が進むことになれば、地方の公共交通の維持・確保に重大な影響が生じます。そのことは、交通政策基本法の趣旨の達成も困難ということになりかねません。地方の疲弊を助長し、地方創生にも逆行することも懸念されます。本県における将来の公共交通のあるべき姿をしっかりと確立する努力をお願い申し上げたいと思います。  新しい質問に入ります。  教育行政─働き方改革・人材確保─についてであります。  学校の教員の長時間労働が深刻化しています。この件は、我が会派の代表質問でも議論されましたが、改めて基本的なことについてお伺いいたします。  文科省が昨年度の勤務時間を調べたところ、中学校の一般の先生は平均週六十三時間十八分で、労働基準法が原則としている四十時間を大幅に超えています。一カ月に換算すると、いわゆる残業時間が過労死ラインと呼ばれる八十時間以上になる先生が全体の六割近くで、小学校でも三割いたとのことであります。  こうした調査は各県教育委員会等でも独自で行われ、一カ月に八十時間を超える教員の時間外業務の実態が明らかになっており、多忙化解消に向けた具体的方針の取りまとめなどが行われています。  本県でも教員の多忙化が言われて久しいわけですが、改善がなかなか進んでいない現状から伺うものです。  そもそも長時間労働の最も大きな要因は何か。教員の長時間労働がもたらす問題、弊害は何でしょうか。児童生徒の学力への影響はどうですか。あるとすれば理由は何ですか。  本県における勤務時間の把握は、各学校において出退勤時間を記録して時間外勤務時間を調査する方法をとっていると思いますが、現場の先生方から、出退勤記録をとっていないとの声も聞きますが、どのような状況ですか。  さらに、学校の衛生委員会等が毎月一回開催されることになっていますが、実際には毎月は開催されていないと聞いています。そのようなことも、改善が進まない要因ではないかとの指摘もあります。  多忙化解消のこれまでの取り組みと改善の効果、課題を具体的に示してください。  今回、補正予算案として、学校現場における業務改善加速事業が提案されていますが、具体的にどのような取り組みをされるのか、示してください。  政府も働き方改革を強化しています。文科省は、学校における働き方改革の取り組みをどのような観点で進めようとしているのか、文科省関係の来年度概算要求の特徴から明らかにしてください。  県公立学校教員等採用試験のあり方についてお尋ねいたします。
     知事の提案理由説明の中にも触れられていますが、「小・中学生の全国学力・学習状況調査の結果が、小学校のA問題以外は全国平均を下回る状況にあり、教員の指導力の向上を図っていく」旨述べておられます。  この学力調査に関しては、過去問で懸命に対策を講じているところもあることや、その後の大学進学等の時点では調査結果と必ずしも状況が一致していないとも言われており、私自身はこの調査結果に一喜一憂することはないと考えている一人です。しかし、気になるのは、教員の指導力の向上が必要という教育委員会、知事の指摘です。  本県の教員等採用試験の倍率は今年度、約八・六倍で、昨年までの数年間は十倍を超え、全国一高い競争率となっています。本県の教員採用試験等は超難関と言えますが、もし教員の指導力が不足しているとすれば、採用試験の難易度と指導力には相関関係はないと考えていいのでしょうか。そうであれば原因をどのように考えていますか。  また、倍率が高いことについて、その要因と見解をお聞かせください。  文科省が、教員採用等の改善に係る全国の取り組み事例を調査しています。取り組みが詳細にまとめられており、ポイントは、教育課程の基準の方向性を見据えた取り組み、特定の資格や経歴等を持つ者を対象とした特別の選考、大学院在学者・進学者に対する特例、受験年齢要件の緩和などとなっています。  県教委におかれても、こうした取り組み事例を参考に検討、改善がなされているものと思いますが、中央教育審議会の答申や文科省の通知においても、必ずしも知識の量のみにとらわれず、個性豊かで多様な人材を幅広く教員として確保していくことが必要であると、選考方法の多様化、選考尺度の多元化の観点から、教員採用等について積極的な改善に努めるよう促しています。  指導のあり方の変化や生徒指導に関する諸問題への対応、教職員の不祥事の問題なども含め、採用に当たってはあらゆる観点から改善が図られていると思いますが、これまでの改善の観点と具体的取り組みを示してください。  採用選考の透明性を高め、公教育への信頼性を確保するためには、採用選考の内容・基準等、採用選考試験全体の情報公開を進め、教育委員会が求める教員像の全体を明確に示すよう工夫を講じることが望ましいとされていますが、筆記・面接・実技判定も含め、どのように周知・開示がなされているか、示してください。  人材確保の観点から、期限付き教諭関連について伺います。  本県の期限付き教諭は増加傾向にあり、本県教育活動で大きな役割を果たしているものと考えます。担任を受け持つなど、勤務状況はほぼ正規教員と同様であるにもかかわらず、給与等は正規職員と比べ低額で、処遇は決して十分とは言えませんし、任期も一年以内で、次年度の勤務の保証もなく、極めて不安定な身分で働いています。  そこで伺いますが、期限付き教員の人数を校種ごとに、三年間の推移と教員の定数に占める割合、増加の要因について示し、今年度の期限付き教諭の経験年数ごとの割合を、五年未満、五年以上十年未満、十年以上で示してください。  あわせて、今年度正規教員として採用された人で、昨年度期限付き教員だった人が何人か、示してください。  教員採用試験において九州・沖縄では、本県と大分県以外は、一定の条件のもと、教職教養、一般教養試験を免除するなど何らかの対応がなされており、全国的にも多くなってきています。私の周辺にも、頑張って期限付きをしながら採用試験に挑戦していたものの、本県を諦め他県の採用試験を受け、採用されていくケースも少なくありません。期限付きではあっても、学校現場で何年も真面目に教育活動に携わり、一定の技量も力量も備えており、人材確保から大変もったいない気がいたします。  本県においても、期限付き教員に対し、受験時に一部試験免除するなどの検討をすべき時期に来ていると思いますが、見解をお聞かせください。  障害者の採用拡大の取り組みについて伺います。  昨年四月より、障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律が施行され、障害者に対する差別の禁止、合理的配慮の提供義務等が規定されています。さらに、法定雇用率の算定基礎に精神障害者が加わることとなり、来年度から、障害者法定雇用率が現行の二・二%から二・四%に引き上げられる予定となっています。  本県においても、障害者特別選考を行っていますが、ことし行われた採用試験においては、これらの法令の規定等を踏まえた差別解消、採用拡大にどのように対応されたか、示してください。  また、教育委員会の障害者雇用率、職種ごとの雇用者数も明らかにし、障害者特別選考による受験者・採用者数と、配慮の周知方法を示してください。  来年度の法定雇用率引き上げへの対応はどうなっているか、達成見込みはどうか、あわせてお聞かせください。  採用試験の時期について伺います。  ことしの採用試験の一次試験は七月十五日から十六日に行われていますが、この時期は、夏休み直前で、大事な成績表をつけるなど最も忙しい時期と言えます。期限付き教員も担任を持っていますので、受験準備もままなりません。  採用試験時期の考え方と、見直しについての見解をお聞かせください。  次に、特別支援教育に関連して伺います。  教育委員会からいただいた資料によりますと、今年度、公立小・中学校、義務教育学校の特別支援学級に通う児童生徒の人数が、昨年より六百三十九人多い四千一人となり、五年間で約二倍近くになっています。学級数も一千七十六と昨年より百十三増加し、五年で三百七十四学級ふえています。  特にこの一年間で大きく増加していますが、その理由は何か。担当教員の確保はどのようになされたか。対応等で明らかになった課題等はなかったか、それぞれ示してください。  特別支援学級担当教員の特別支援学校教諭免許状保有率は、小学校が四四・三%、中学校が三五%で、平均四一・六%となっています。  小・中学校の特別支援学級担当教員は、教育職員免許法上、特別支援学校教諭免許状の保有は必要とはされていませんが、障害の多様化や重度・重複化への対応など、一人一人の障害に応じた適切な指導が求められることや、特別支援教育の重要な担い手としての大きな役割も果たさなくてはなりません。  小・中学校の特別支援学級担任の特別支援学校教諭免許状保有率四一・六%についての見解と、今後の対応についてお聞かせください。  また、高校については来年度から通級指導が始まると聞いていますが、高校における免許保有率についても明らかにしてください。  特別支援学級に通う児童生徒が多くなっていることから、課題として考えられることの一つに、放課後児童健全育成事業、いわゆる児童クラブの充実があります。児童クラブは障害のある児童も利用できると理解していますが、実際に放課後児童支援員確保など十分に対応できるのでしょうか。現状と課題への対応について示してください。  以上で、二回目の質問といたします。 44 ◯教育長(古川仲二君)働き方改革・人材確保についてのお尋ねのうち、まず、教員の長時間労働の要因等についてであります。  国の、学校における働き方改革に関する総合的な方策に係る中教審への諮問において、教員に対しては、学習指導のほか、生徒指導、部活動、保護者や地域との連携など多様な期待があり、このことが長時間勤務という形で既にあらわれているということが示されております。  また、同じ諮問において、教員の職務は自発性、創造性に期待されている面が多いとされており、長時間勤務につながりやすい面もあることから、教員の心身の健康を損なうことなどが問題として示されているところでございます。  なお、教員の長時間勤務と児童生徒の学力との間に明確な関係があるとは考えていないところでございますが、教員の働き方改革が、本来あるべき学習指導、生徒指導等に多く振り向けられる方向に進めば、さらによりよい効果が期待できると考えているところでございます。  次に、勤務時間の適切な把握についてでございます。  教職員の勤務時間の把握については、各学校において管理職が、個別の面談や健康管理のための出退時刻記録システムの活用等によりまして、個々の教職員の実情を適切に把握しているものと認識いたしております。  次に、多忙化解消の取り組みと改善の効果、課題等についてであります。  これまでの業務改善に係る取り組みといたしましては、調査物等の見直しのほか、学校に対する要望・意見への対応マニュアルの改訂や、月一回、定時退校日とし、その日を部活動休養日とする取り組み等を行ってきたところでありまして、本年度は全ての学校において定時退校日が設定されているところでございます。  また、教職員の意識啓発のためのポスターや標語の募集を行ったところでありまして、今後、さまざまな場面においてこのポスター等を活用することで、教職員一人一人のさらなる意識啓発を図ってまいります。  今回、九月補正予算案に計上いたしております学校現場における業務改善加速事業につきましては、モデル地域での勤務実態の把握や時間管理の徹底、専門スタッフとの連携・分担などの実践研究を予定いたしておりまして、それらの成果を踏まえて、本年度策定する業務改善方針に基づく具体的な取り組みについても検討してまいりたいと考えております。  次に、文科省の取り組む働き方改革の観点についてであります。  文部科学省の平成三十年度概算要求では、教職員定数の改善や、学習プリント等の印刷業務などを担当するスクールサポートスタッフなどの配置、部活動指導員の配置等を要求いたしておりまして、文科省としては、これらの取り組みを通して、学校における働き方改革のための指導・運営体制の効果的な強化・充実を図ることとしておるところでございます。  次に、採用試験の倍率改善の観点等についてでございます。  本県の教員等採用選考試験については、全国でも高い倍率であり、より優秀な教員の確保につながっていると考えております。  なお、教員の指導力については、研修と実践を重ねながら、自己研さんに努めることで培われ、さらに向上していくものであると考えております。  採用倍率が高いことについては、本県の教員を希望する者が多いことに加えまして、児童生徒数の状況や再任用制度等を踏まえて、一定の採用数となることに努めてきたことなどが考えられるところでございます。  教員等採用選考試験においては、知識や技能はもとより、教育への情熱・意欲を有し、人間的に魅力のある人材を確保するため、工夫・改善に努めてきたところであり、本年度は、平成三十二年度から全面実施される小学校の外国語教育の教科化に対応するために、小学校英語特別選考を導入したところでございます。  次に、採用選考の内容、基準の公表についてであります。  本県教育委員会が求める教員像や選考試験の内容については、教員等採用選考試験の要項やホームページに掲載するとともに、毎年五月の県内大学等での説明会において周知を図っているところでございます。  また、採用選考試験の透明性を高めるために、試験問題や解答例、実技試験等の実施要領を公表するとともに、不合格者に対しましては、順位ランクと総合得点を開示しているところでございます。  期限付き教諭の人数等についてであります。  過去三年間の五月一日現在における期限付き教諭の人数は、平成二十七年度においては、小学校で四百七十三人、中学校で百六十八人、高等学校で二百十人、特別支援学校で百七十人。平成二十八年度はそれぞれ、五百五十人、百七十三人、百八十五人、百九十八人。平成二十九年度はそれぞれ、六百八十四人、百九十三人、二百二人、二百二十二人のほか、義務教育学校で六人となっております。また、平成二十九年度の期限付き教諭の全教諭に占める割合は、一〇・七%となっております。  期限付き教諭につきましては、年度初めの急な児童生徒の転出入による学級の増減等に対応するために、毎年度、一定数配置いたしているところでありますが、本年度は、特に特別支援学級の大幅増に伴い、全体として必要となる教員数がふえ、結果として期限付き教諭が増加したところであります。  本年度の期限付き教諭の経験年数は、五年未満が約五二%、五年以上十年未満が約一九%、十年以上が約二九%であります。  平成二十九年度新規採用教員として採用した二百二十一人のうち、期限付き教諭等の経験者は百三十九人であります。  期限付き教諭等に対する採用試験での優遇措置についてであります。  本県におきましては、期限付き教諭等の優遇措置は行っておりませんが、人物重視の観点から導入いたしておりますグループ討議や面接等において、これまで勤務いたしました学校での経験などが結果的に生かされているものと考えております。  次に、障害者の採用拡大の取り組みについてであります。  教員等採用選考試験の障害者特別選考におきましては、採用職種の拡大、一次試験の教職教養試験や一般教養試験の免除等の改善周知に努めるとともに、大学等へは、障害者の教員免許状取得督励の要請も行ってきたところでございます。  次に、教育委員会の障害者雇用率等についてであります。  平成二十九年六月現在の県教委の障害者雇用率は二・二八%でありまして、その内訳は、教育職員が百十一人、その他の事務職員等が八十人で、全体では百九十一人となっております。また、平成十六年度から実施いたしております障害者特別選考については、昨年度までに延べ四十八人が受験し、十四人を採用してきたところでございます。  県教委といたしましては、受験上の配慮については、本人の申請書をもとに事前に確認した上で個別に対応するように努めますとともに、大学等へのより一層の周知を図りながら、今後とも、県教委全体で障害者の雇用増が図られるよう努めてまいります。  次に、採用試験の時期の見直しについてであります。  教員の採用選考試験の日程につきましては、これまで、地方公務員採用試験や民間企業の採用選考活動の時期、学生の授業や教育実習の期間等を総合的に勘案して、九州各県及び九州の政令指定都市において協議の上、一次試験の実施日を決定してきたところでございます。  最後に、特別支援学級の増加の理由及び対応等についてでございます。  特別支援学級数の大幅な増加は全国的な傾向でありまして、特別支援教育について理解し、期待する保護者の方々がふえたことなどが理由として考えられております。  本年度は、特別支援学級の担任については全て確保され、新学期がスタートしたところでございますが、一部、初めて特別支援学級の担任をする者もおりまして、研修等を通じて専門性の向上に努めたところでございます。  本県の特別支援学級担任の特別支援学校教諭免許状保有率は四二%前後で推移しておりまして、全国平均の三一%前後を上回っている状況にございます。  なお、高校において特別支援学校教諭免許状を有する者は、全体の二・五%でございます。  今後とも、同免許状の保有率を高めていくとともに、研修を通して専門性の向上を図り、特別支援教育の充実に努めてまいりたいと考えております。 45 ◯県民生活局長(中山清美君)放課後児童クラブへの障害児受け入れの現状と課題への対応についてでございます。  本県の放課後児童クラブの平成二十八年度の障害児受け入れ実績は百七十二カ所、三百七十五人であり、五年前と比べ、百二十カ所、二百三十四人の増となっており、増加傾向にあります。  障害児を受け入れる際は、安全に配慮した施設の改修費用や、専門的知識・経験を有する放課後児童支援員の確保が課題であります。国においては、施設改修等の費用を助成しているほか、専門的知識を有する支援員の配置費用についても、平成二十九年度に加算対象児童数を五人以上から三人以上とするなどの拡充を図ったところです。  県としても、障害児に関する経験や知識が豊富な講師を招いた研修の実施など、支援員の資質向上に努めており、今後とも、市町村と連携し、障害児受け入れが円滑に進むよう努めてまいります。    [ふくし山ノブスケ君登壇] 46 ◯ふくし山ノブスケ君 御答弁ありがとうございました。教育長には数多くお答えいただきました。  障害者の採用拡大についての取り組みを伺ったわけですけれども、来年度から精神障害者の雇用が義務化されます。この件については十分に対応がなされるようにお願い申し上げておきたいと思います。  新しい質問に入ります。  観光客受け入れ環境の整備・もてなしの心の醸成についてであります。  八月二十八日の地元紙に「もてなしの心と国体」と題し、次のようなコラムが掲載されていました。十年ほど前に国体取材で訪れた県で経験した決して芳しいとは言えない対応についてつづった記事を見た国体関係県の観光部門トップからの電話は、「申しわけなかった」と謝り、「国体に向けて何年も準備してきたのに残念だ」と繰り返したというものです。  本県においても、来年は明治維新百五十周年、大河ドラマ「西郷どん」の放映、奄美・徳之島の世界自然遺産登録、そして二〇二〇年の国体・全国障害者スポーツ大会と、本県のもてなしの心が問われることになります。  特に、外国人客の増加が顕著で、九州地域戦略会議は九州観光戦略を見直し、二〇二三年に九州を訪れる外国人の目標を四百四十万人から約八割増の七百八十六万人に上方修正しました。訪日外国人の約六割はリピーター客と言われており、将来を展望したきめ細かな対応が必要です。  観光庁が訪日外国人旅行者に行った受け入れ環境についてのアンケート調査では、旅行中困ったことは、「施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない」が最も多く、次いで、「無料公衆無線LANの整備不足」、「観光案内板や地図、飲食店、小売店での多言語表示の少なさ・わかりにくさ」などで、インフラ環境の不十分さが指摘されています。  本県には魅力的な観光資源は数多くありますが、外国人にとって果たして一定の満足を得るものになっているか疑問であり、受け入れ環境の整備促進が必要だと考えます。  こうしたインフラの整備について、これまでの取り組みと進捗状況、課題、今後の取り組みと、熟度をどの程度まで高めていくことを目標としているか、お答えください。  また、おもてなしの心の醸成は官民一体となった取り組みが必要ですが、どうなっているのか。それらの進捗状況を把握し、総括する所管部署はどこか、明らかにしてください。  さて、最近、ニーズの多様化などでFITと呼ばれる個人旅行客が増加しています。中国人の訪日形態別データを見てみますと、二〇一一年ごろから団体旅行よりも個人旅行が多くなっています。世界各地でアジア圏からの旅行客について同様のデータが発表されているとのことであり、明らかに旅行形態に変化が生じています。  本県の課題について幾つか伺います。  まず、国際クルーズ船寄港の際、バス輸送で多くの観光客が天文館周辺、中心市街地を訪れますが、バスの乗降場等の整備はどのような計画になっているのか。改善は具体的に進んでいるのか、これまでの経過と現状について示してください。  次に、鹿児島空港から、鹿児島市内を初め各地域へ向かう高速バスに関する課題についてですが、空港の乗り場に大きなスーツケースとともに外国人旅行客が並んでいる姿をよく見かけるようになりましたが、バスの床下にあるトランクルームが荷物でいっぱいになり、大きな荷物のある人は乗車できないこともあります。  さらに、鹿児島市内の天文館や市役所前バス停では、バスを降りるお客さんの重たいトランクをバスの乗務員が一人でトランクルームから引っ張り出し、持ち主に引き渡さなければなりません。大変重労働です。しかも、バス停のスペースは狭く、歩道と車道の間にある防護柵を越えて渡さなくてはならない場所もあります。いつまでそのような状態を放置しておくのでしょうか。  防護柵の改善については道路維持課で対応していただいたところもあり、お礼申し上げたいと思いますが、このように改善の必要な箇所を徹底して洗い出し、民間事業者等とも協議しながら解決するべきと思います。また、大きなスーツケース等については何らかの方法で宿泊先へ届けることも検討すべきだと思います。手軽に観光を楽しめ、行動範囲も広がることにもつながります。  鹿児島空港の国際化促進を声高に言うのはいいでしょう。鹿児島を訪れていただくほとんどの人たちは、高級車で空港等に出迎えてもらう旅行をしているわけではありません。まずは、旅行者が鹿児島に来てよかった、もう一度訪れたいと思っていただける細やかな環境整備が必要です。  旅行者が心地いいということは、知事のおっしゃる、鹿児島に生まれてよかった、鹿児島に住んでよかったと県民に思ってもらうことにつながると考えますが、いかがでしょうか。  旅行客を迎える側の人たちが心からもてなしの気持ちを持って接することができる、働くことができる、そんなことにも思いをいたすことが大事ではないかと思います。  空港の民間委託についても議論されていますが、国際線ターミナルはショップやレストランも十分ではありません。国際線前から路線バスに乗ることさえできません。これらの状況を踏まえ、国際線ターミナルビルにおける利用者利便の向上についてどのような見解をお持ちか、お聞かせいただきたいと思います。  バリアフリー化の推進状況について伺います。  先週、自民党さんの代表質問でも議論がなされましたが、現在、県障害者計画、第四期障害福祉計画の推進が図られています。  障害者計画策定時にはアンケート調査を行い、階段の昇降が困難、障害者用の駐車場が不十分、トイレの数や設備が不十分、人々の障害に対する理解が不足など、外出時に感じる不便や不満について結果が示されており、計画には、県有施設や民間の公共的施設等についてバリアフリー化を促進することとあわせ、広報誌の発行やボランティア活動の促進、福祉教育の充実等により、心のバリアフリー化に取り組むということもうたわれています。
     ハードとソフト、心のバリアフリー化について、現在までの進捗状況をどの程度と捉えておられるのか、示してください。  政府は、二〇二〇年のパラリンピックを、障害者スポーツの振興にとどまらず、障害者に対する人々の意識を変える契機としたい、パラリンピックを通して共生社会の浸透を目指すとしています。  日本財団パラリンピック研究会の小倉和夫代表は、「パラリンピックを一過性のイベントで終わらせてしまってはならない。パラリンピックを成功させ、その成果を一般社会にフィードバックしていくべき。パラリンピックは、高齢化社会や共生社会を考える上での多くのノウハウや知見を私たちにもたらしてくれるはずだ」と言っておられます。  来年の数々のイベント、その後に国体・全国障害者スポーツ大会と続く本県におけるソフト・ハード両面におけるバリアフリー化は、これらのイベント等で本県を訪れる方々に十分対応可能な状態にありますか。  また、この機会にさらに共生社会の浸透を図っていく必要があると思いますが、どのように考えておられるのか、基本コンセプトも含め、明確にしてください。  大規模スポーツ施設のあり方について伺います。  県の大規模スポーツ施設の在り方検討委員会も二回開催され、優先的に議論を進めている新総合体育館について、報道によりますと、多目的に利用できるアリーナとすることで一致したとのことでありますが、まず、スケジュールについて確認させていただきたいと思います。  今後、十月ごろに事例調査を行い、十一月ごろに第三回検討委員会を開催し、施設の機能等について検討、来年一月から二月上旬にかけて提言の取りまとめを行うというスケジュールに変わりはないでしょうか。  また、提言を受けた後の検討・整備スケジュールについても示していただきたいと思います。  設置場所についての考え方は、いつ、どのように決定がなされるのでしょうか。  第三回検討委員会では、「交流人口の増加、経済効果の観点から、コンサートなど競技以外のイベントにも利用可能なアリーナに絞って議論を進めることで意見集約がなされた」と報道されていましたが、そのように理解してよいか。そうであれば、理想とする、望ましいと考える整備地域─エリア─、設置場所についてどのように考えているか。  鹿児島市のサッカー等スタジアム整備検討協議会が八月二十五日に開催され、スタジアムは、鹿児島市の地域・経済の活性化や市民生活の豊かさの向上のために必要であることと、立地条件は、都心部が最もふさわしいという決定がなされていると聞いています。  さらに、出席した県の担当者はドルフィンポート敷地へのサッカースタジアムの立地についても言及されているようですが、県の考え方をどのように説明したのか。  「県の考え方があるのであれば、調整は行政間に任せるべきだ」との意見もあったと仄聞していますが、今後、鹿児島市からドルフィンポート敷地を立地場所として要請がなされた場合、協議には応じるのか。どのように対応するのかお聞かせください。  以上で、三回目の質問といたします。    [知事三反園 訓君登壇] 47 ◯知事(三反園 訓君)お答えいたします。  バリアフリー化の進捗状況と共生社会の実現についてであります。  本県においては、心豊かで住みよい福祉のまちづくりを推進するために、ハード・ソフト両面においてバリアフリー化を進めてきたところであります。  ハード面におきましては、例えば駅舎へのエレベーター設置、港湾待合室や歩道の段差解消など、一定の取り組みがなされてきております。また、ソフト面においても、障害のある人もない人も、一人一人の人格と個性が尊重され、社会を構成する対等な一員として、安心して暮らすことのできる鹿児島づくりを進める必要があると考えております。そのために、街頭キャンペーンの実施や事業者への戸別訪問、広報誌の活用による啓発等に取り組んできたところでありまして、障害当事者やその家族、福祉関係者の方々の間では一定の理解が進んでいるものと認識しております。  本県においては、来年、明治維新百五十周年に伴うイベントが予定されております。さらに、平成三十二年には、東京オリンピック・パラリンピックと軌を一にして、国体・全国障害者スポーツ大会が開催されることとなっております。国は、東京パラリンピックを、共生社会の実現に向けて、人々の心のあり方を変える絶好の機会と位置づけております。  本県といたしましても、全国障害者スポーツ大会を絶好の機会と捉え、ハード・ソフト両面から一層のバリアフリー化に努めてまいりたいと考えております。 48 ◯PR・観光戦略部長(西 啓一郎君)観光客受け入れ環境の整備の進捗と所管部署の明確化、課題についての御質問でございます。  外国人観光客の受け入れにつきましては、観光関係者を対象とした講習会を通じた意識啓発や通訳ガイドの育成などの取り組みを行っているところであります。  無料公衆無線LAN環境につきましては、県や市町村により、観光案内所など約三百八十施設が整備されております。また、民間では、空港や駅、宿泊施設などのほか、コンビニエンスストア等を中心に広く整備が進んでいるところでございます。  多言語表示につきましては、これまで、外国語表記の観光案内標識等を約二千基設置し、さらに今年度、二十基程度を整備する予定でございます。  引き続き、観光案内板の多言語化や各種講習会等に取り組むとともに、国の支援制度等の周知などを通じて、民間も含めた受け入れ体制のさらなる充実に努めてまいります。  おもてなしの意識醸成を図るための取り組みといたしましては、鹿児島で触れた心温まる体験談などを募集し、紹介する観光まごころ体験だよりや、おもてなしに功績のあった団体等の表彰など観光まごころ県民運動の展開、観光従事者向けのセミナー開催などを行っております。  観光は、裾野が広い総合産業でありますことから、PR・観光戦略部を中心に、関係部局等と連携しながら施策を推進しているところであり、必要に応じて各部局長等で構成される観光推進本部会議を開催しております。また、国や市町村、民間事業者等とも随時協議しながら取り組んでいるところでございます。  引き続き、関係部局、関係機関との連携を図りながら、観光客の受け入れ体制の整備促進に努めてまいります。  鹿児島市天文館周辺地域の観光バス等乗降場整備の状況についてでございます。  鹿児島市中心部におけるバスの乗降場等につきましては、中心市街地活性化の観点から、地元自治体である鹿児島市が主体的に取り組むべき事案と考えておるところでございます。一方で、県バス協会からの要請等もあり、鹿児島市による恒久対策の実施を前提に、緊急的な対策として、天文館周辺の県有地を観光バス暫定乗車場として活用する方向で、同市とも調整し、現在、県バス協会内で運用に向けた検討が行われているところでございます。  あわせて、県としては、鹿児島市とも連携しながら、船会社やバスなどの手配を行う旅行サービス手配会社等を訪問し、寄港地観光ツアー先の分散化も依頼するなどの対策を行っているところでもございます。  今後とも、混雑解消に向けて、鹿児島市や県バス協会など関係者と一体となって取り組んでまいります。 49 ◯企画部長(東條広光君)初めに、鹿児島空港国際線ターミナルの利便性向上についてであります。  国際線ターミナルにつきましては、売店、レストランの充実やCIQ機能の強化等、利用者利便の向上について航空会社等から要望が出されているところであります。  売店等につきましては、スペースの都合等により対応できない面もありますが、空港ビル会社では、販売員の外国人起用や利用者のニーズに沿った商品取り扱いなどの改善を行ってきました。また、入国審査場の混雑解消のため、その拡充や旅券情報等の事前取得機器の導入も図られたところであります。  県としては、施設を所有する国や空港ビル会社等とも連携しながら、引き続き、利便性向上に向けて取り組んでまいりたいと考えております。  なお、バス停留場につきましては、荷物の積み込みによる渋滞等の問題も生じましたことから、ことし五月に降車専用としたと聞いているところであります。  次は、新たな総合体育館に係る検討スケジュールと設置場所の考え方についてであります。  大規模スポーツ施設の在り方検討委員会においては、総合体育館を優先的に検討することとされ、現在、その必要性や機能について検討が行われているところであります。今後、第一回の検討委員会で確認されましたスケジュールに沿いまして、十月ごろに事例調査、その後に二回の検討委員会を経て、来年二月ごろまでに提言を取りまとめていただくこととしているところであります。スケジュールに大きな変更はございません。  新たな総合体育館の整備スケジュールや設置場所など、整備の具体につきましては、検討委員会から提言いただいた後に、整備に関する基本的な考え方をまとめる中で検討し、明らかにしていきたいと考えております。  次は、新たな総合体育館をアリーナに絞って議論することについてであります。  九月七日に開催されました第二回検討委員会におきましては、多くの委員から、総合体育館について、「イベントやコンサートなど多目的に利用できる機能も必要」との御意見が出されたところであります。また、「そうした機能を踏まえると、今後の検討の方向性としてはアリーナ的な概念ではないか」との御意見も出されたところでありまして、今後の事例調査なども踏まえ、次回の検討委員会でさらに議論を深めることが確認されたところであります。  委員会としての意見集約は、来年二月ごろまでの提言に向けて、今後行われるものと考えております。 50 ◯土木監(井多原章一君)ドルフィンポート敷地へのサッカースタジアムの立地についてであります。  先月開催されたサッカー等スタジアム整備検討協議会におきまして、「県としては、ドルフィンポート敷地にサッカースタジアムの立地は考えていない。その理由は、ドルフィンポート敷地を中心とした鹿児島港本港区エリアについて、年間三百六十五日、国内外からの観光客でにぎわうような魅力的な港、もう一回行ってみたいというリピーターが訪れてくれるような観光地にしたいと考えているからである」などと説明したところであります。  今後、鹿児島市から、ドルフィンポート敷地をサッカースタジアムの立地場所として要請された場合につきましても、同様の説明になるものと考えております。 51 ◯ふくし山ノブスケ君 一点質問いたします。  先ほど、大規模スポーツ施設についてお答えいただきましたけれども、事業、供用開始の目途もない、そして現時点では場所についても白紙、そんなふうに理解してよろしいですか。 52 ◯企画部長(東條広光君)ただいま委員会のほうに検討をお願いしているところでございます。まずは、その必要性、機能について検討いただきたいということでお願いしているところでございます。 53 ◯ふくし山ノブスケ君 現時点で、執行部としての考え方がないのかどうかを聞いているわけです。 54 ◯企画部長(東條広光君)その点につきましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、検討委員会から提言いただきました後に、整備に関する基本的な考え方をまとめるということで考えておるところでございます。    [ふくし山ノブスケ君登壇] 55 ◯ふくし山ノブスケ君 ありがとうございました。  最後に、国立社会保障・人口問題研究所が四月に発表した日本の将来推計人口では、世界でも類を見ない高齢国家への道を歩んでいることが改めて浮き彫りになっています。  誰もが持つ不安をどう解消していくか。そのためには、不都合な真実に目をつぶることなく、また、人間の違いではなく、人間みんなが共通に必要なものに思いをはせ、分断を助長するのではなく、分断線を消すために大いに努力しなくてはならないと考えます。私も努力することをお誓い申し上げて、質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) 56 ◯議長(柴立鉄彦君)次は、瀬戸口三郎君に発言を許可いたします。    [瀬戸口三郎君登壇](拍手) 57 ◯瀬戸口三郎君 皆さん、こんにちは。自由民主党の瀬戸口三郎でございます。通称、「田舎」じゃなくて「銀座のサブちゃん」と呼ばれておりますけれども、あと一時間でございますので、よろしくお願いします。  昨日、中村議員より、大島紬の要望がありました。きょうは会場の中に数名の方が着ていらっしゃいますけれども、私も持ってはいるんですけど、もったいなかったのできょうは家に置いてまいりましたので、進めさせていただきたいと思います。  それでは、ただいまより一般質問に入ります。  今年八月上旬の台風五号、そして九月四日、五日には喜界島を中心とする豪雨災害、今回の台風十八号の上陸など、甚大な被害が発生し、五十年に一度の豪雨が近ごろでは毎年どこかで発生しているような気がしてなりません。  これらにより犠牲になられた方々に改めて心から哀悼の誠をささげるとともに、被災地の一日も早い復興を心からお祈りしながら、一般質問に入ります。  早いもので、三反園知事が就任されて一年が経過いたしました。民間出身の知事として、県民目線で対話の県政を掲げ、知事と語ろう車座対話も積極的に取り組んでおられます。また、地域のいろいろな行事やイベントにも顔を出しておられます。  今回の和牛共進会でも、地区予選会や県の最終選考会にも出席されたことについて、出品者や畜産関係者は高く評価されていたようであります。  一方、現場によく出かけているが、職員との会議や打ち合わせはできているのか、また、国や知事会等への出席は大丈夫なのかといった県民の不安の声があるのも事実であります。  知事は就任後、県庁の職員を前にして「チェンジ」を連呼されたと聞いております。私は、知事が就任されて初めての議会で、自民党を代表して質問させていただきました。その答弁は、マニフェストの実現には現実性が少なく、私には到底理解できない内容が多く、抽象的な答弁であったと思いました。しかし、今日、知事は、財政状況を踏まえて現実路線に修正されてきているように思われます。  知事、知事の魅力はチェンジなのです。勇気を持ってチェンジすべきであります。そして、もし継続と気づいたら、もう一回チェンジするともとに戻るから大丈夫であります。  行政は、継続の上につくり上げられていると指導されてきました。本日は私なりに、少しチェンジしていただきたい項目について幾つか質問させてもらいたいと思いますので、一回のチェンジで積極的な答弁をお願いいたします。  知事が就任されて一年間の間、土日もなく県民と対話され、職員との打ち合わせなど、「け死んかぎい」と言われながら頑張っておられるようですが、現時点での本県の課題と抱負について、就任前と違ったことを県財政状況を含めながらお伺いいたします。  次に、担い手確保について。  自由民主党の友好団体が七十余りある中で、今年も寺田政調会長を中心に、主な三十団体余りから約十日間かけて県政への要望聴取を行ってまいりました。その中で、どの職種においても一番の課題は人手不足であります。また、仕事はあるが技能者の確保ができないという要望が一番多くありました。この現状は、本県だけのことではなく日本全体に言えることであると思います。  今日、我が国では、人口減少がとどまることをしりません。国や地方公共団体において、さまざまな人口減少に対する施策が展開されておりますが、なかなか実績が上がってまいりません。本県においても、地方を中心にその傾向は顕著であります。  人口が減ることは、つまり若い労働力が不足し、さまざまな職種にしわ寄せが来るのは当然であります。このことを鑑み、各県や市町村では総力を挙げて、企業、大学、専門学校などが連携し、地方創生交付金を活用して、人口の流出に歯どめをかける事業を行うようになってきています。  これまで、本県は、教育県として誇りを持って教育に当たってまいりました。小・中・高校で優秀な人材を育て、県外の優秀な大学へ送り込んでまいりました。高校では、難関校へ何人通したかを喜びとしてまいりました。このことを、高等学校はもちろん、行政もそして地域や保護者も誇りとしてまいりました。  今まではそれでよかったのでしょう。この人口減少の中では、改めなければ県の人口はどんどん減少するばかりです。これまでの取り組み認識で高等学校の進路指導を進めるべきではないと思います。本当に大学で学んで研究する意欲のある生徒は、その方向に進むべきであります。そうでない学生までも、大学だ、県外だといった進路指導はやめていただきたいのであります。  さきの三月議会で我が党の吉留議員の質問で、専修学校の役割と高等学校内で行われる進路ガイダンスについての答弁を聞いて、少し残念でしたので、再度質問させていただきます。  本県の新規高卒者の県外就職割合は、平成二十八年は四八・一%で全国で二番目に高かったのであります。残念ながら、さきの九月二十二日のテレビ放送では、本年は鹿児島県が一位になったようであります。一番低いのは、当然のごとく、産業の多い愛知県で四%でありますが、意外なのは、二番目は石川県であり、上位に富山、長野、福井、北海道が一〇%以下であります。そういうことを鑑みるときに、本県も検討する必要があると思われます。  一方、現在、県内高校卒業生の二〇・一%は専修学校に進学しています。高校生が県外の大学、専修学校に入学すると県外に就職する例が多いと思われますが、注目していただきたいのは、県内の専修学校の卒業生の七割は地元の会社、病院、企業に就職しているのです。  そこで伺います。  今年度、県内の専修学校に在籍している学生の数を教えてください。  また、県内の高校においては、生徒が、高校卒業時に県内への就職や、県内の大学や専修学校への進学を積極的に考えるよう指導すべきと思いますが、どのように考えているのか、お伺いいたします。  一方で、高校で行われている進路ガイダンスは、民間の進路業者が県立の高校を無償で借りて行っているものが多く、県内の専修学校だけでなく、県外の専修学校からも多くの参加を募っていると聞いております。結果として、県外の専修学校に進学する生徒をふやしているのではないかという意味で、まことに危険な実態だと思っていますが、教育長はこの実態をどのように認識されているのか、見解と対応についてお伺いいたします。  現在、県専修学校協会が実施しているしごとフェアは、県内にどんな仕事があるかを直接理解させる事業だと思いますが、昨年度で九回目となり、約二千五百人の高校生が参加されております。  この二、三年の間に、熊本県、宮崎県、大分県あるいは北九州市では、地方創生推進交付金等を活用した事業として、地元の企業、大学、専修学校への就職・進学のための情報を提供する事業をされているそうであります。  人材の地元定着の観点から、本県でも取り組むべきと思いますが、考えをお示しください。  また、国は、働き方改革実行計画を踏まえ、離職者等に高いスキルを身につけてもらい正社員就職に導くための職業訓練として、非正規雇用労働者等の長期高度人材育成コースを創設したと聞いていますが、その内容についてお伺いいたします。  学校教育法の一部を改正する法律が成立し、平成三十一年四月一日より専門職大学制度が施行されることとされました。これと同じく、専門職短期大学も開校できるとされたところでありますが、大学の少ない本県にとっても、県内の大学等を希望する高校生にとっても選択肢がふえることになり、卒業後、県内に若者が残る機会が多くなり、大学や短大ができることで本県の発展につながると思いますが、新制度の内容についてお伺いいたします。  また、県立農業大学校も開校以来四十年が経過しています。本県の多くの農業後継者や農業技術員等を育て、本県農業振興に大きく貢献してきました。農業分野においても、高いレベルの技術や多様な要望が多くなる今後に備えて前進するためにも、農業大学校の新制度への取り組みについて検討できないか、お伺いいたします。  現在、県内各地の多くの産業で外国人技能実習生を多く受け入れています。私の農場でも二人のベトナムの実習生を受け入れておりますが、あくまでも、労働者ではなく開発途上地域等への技能等の移転を目的とされている事業であり、担い手確保とは少し違っておりますけれども、現実として実習生に頼っているのが事実であります。  今回、技能実習法が本年十一月から施行されると聞いておりますが、今までの制度と新しい制度の違いについてお示しください。  一回目の質問といたします。    [知事三反園 訓君登壇] 58 ◯知事(三反園 訓君)お答えいたします。  本県の課題と抱負についてのお尋ねであります。  現在、本県は、人口減少や少子高齢化、過疎化が進行し、厳しい状況に置かれております。本県財政につきましても、自主財源に乏しく脆弱な財政構造にある中で、扶助費が増加傾向にあり、公債費も高水準であるなど厳しい状況でありますことから、将来にわたって持続可能な行財政構造を構築することが重要であると認識しているところであります。  子供の数の減少に少しでも歯どめをかけるためにも、子育て世帯にとって住みやすい鹿児島をつくることが重要であります。また、高齢者の皆さんが地域で生き生きと安心して暮らせる鹿児島にしたいとの思いから、今年度当初予算におきましても、何よりもまず子育て支援や高齢者の生きがいづくり、健康づくりに力を入れるべきだとして、関連事業を重点施策として位置づけ、実施しているところであります。  基幹産業であります農林水産業の振興につきましては、魅力ある本県の素材を最大限に生かし、県産品のブランド力向上、農林水産物の輸出促進などを戦略的に展開することが重要であると考えており、少しでも高く売って生産者の所得を向上させることで、後継者が育っていくという好循環を何としても実現したいとの思いで取り組んでおります。
     そうした中で、先日、曽於、大崎を訪問させていただきまして、瀬戸口議員も一緒に訪問させていただきましたけれども、非常に頑張っている農家の方々の声を直接聞くことができました。そういう方々の声を聞いて、そういう方々をバックアップしていくことも重要だと考えておりまして、鹿児島の農業の未来を促進するために今後とも全力で取り組んでいきたいと思っております。  本県では、来年の明治維新百五十周年、大河ドラマ「西郷どん」の放映、そして平成三十二年の鹿児島国体など、これから大規模イベントがめじろ押しであります。この絶好の機会を最大限生かすためにも、訪れた方々が、鹿児島に来てよかった、また訪れたい、そう思えるような来て見て感動するまちづくりをさらに推進していく必要があります。  鹿児島には自然、食、歴史など、全国へ世界へ誇れるすばらしいものがたくさんあります。これらを生かさなければならない、そういう思いで取り組んでまいりました。引き続き、国内外でのトップセールスに積極的に取り組むとともに、もっと多くの方々に鹿児島に来ていただけるよう、本県の多彩な魅力を広く発信して、県産品の販売促進、観光振興を図っていかなければならないと考えております。  今後の県政運営に当たりましては、本県の厳しい財政状況を勘案しつつ、行財政改革を着実に推進するとともに、今年度策定することとしている新たな県政ビジョンや各種計画に基づきまして、各般の施策にしっかりと取り組んでまいります。  御指摘がありましたけれども、外にいるという印象が強いということは、逆に、県民が主役の政治を貫く上でうれしいことではありますけれども、平日のほとんどは知事室に実はおりまして、県庁職員とさまざまなことで協議しております。毎日びっしりのスケジュールが入っていることもまた事実であります。  今後、県民の声を聞きながら、県民や県議会の皆様方の御理解、御協力をいただきながら、鹿児島に生まれてよかった、鹿児島に住んでよかった、そう思える鹿児島を目指し、引き続き全力で取り組んでまいりたいと考えております。 59 ◯教育長(古川仲二君)県内専修学校入学者数と県立高校の進路指導についてであります。  今年度の県内専修学校専門課程の入学者数は二千五百三十五人であります。県立高校における進路指導につきましては、個の能力や適性に応じた進路実現を目指し、個別の進路相談等を通じて、卒業後の進路について具体的な目標を定め、自己実現を果たせるよう、地域等と連携し、計画的に取り組んでいるところであります。  県内への就職や進学に対する関心を高める取り組みとして、具体的に申し上げますと、就職指導については、キャリアガイダンススタッフによる就職支援等を通して、県内企業への理解と県内就職の促進に努めております。また、進学指導につきましては、県内の大学や短大、専修学校等から多くの講師の方を招き、出前授業等を実施することで、地元の学校の魅力を伝えてもらうなど、県内への進学に関心を持たせる機会を設けているところでございます。  これらのさまざまな取り組みを通して、高校生が将来において望ましい自己実現ができるよう努めてまいります。  次に、県立高校における進路ガイダンスについてでございます。  進路ガイダンスは、進路指導の一環として実施されておりまして、大学や専修学校等の紹介など、生徒の多様な進路希望に合わせた内容となっておりまして、生徒の意欲喚起につながっていると考えております。平成二十八年度に進路ガイダンスを実施した県立高校五十二校のうち、業者委託による実施は三十九校でありまして、参加した専修学校等の延べ数は、県内三百五十六校、県外三百三十四校とほぼ同数であります。  県教委といたしましては、進路ガイダンスは、生徒が進路に関する情報を一度に幅広く得られる機会であると考えておりまして、今後とも、生徒の進路実現に向けた取り組みの充実が図られ、県内の進学、就職につながるよう、関係団体との連携に引き続き努めてまいりたいと考えております。 60 ◯商工労働水産部長(酒匂 司君)専修学校等と連携した県内就職促進等の取り組みについてでございます。  県といたしましては、若者の県内定着と人材の確保を図るため、まずは、県内企業の魅力について、新規学卒者や若年者における理解をなお一層深めていただく必要があると考えており、そのため、鹿児島労働局などの関係機関と連携した合同企業説明会等を開催しているところでございます。  また、現在、鹿児島県専修学校協会と協議の上、県及び鹿児島労働局が実施する各種面談会等において、県内の専修学校に関する情報の提供や相談等を行うコーナーを設置する方向で検討しているところでございます。  なお、お尋ねのあった、地元への就職等を促進するイベントの開催につきましては、鹿児島労働局や関係団体等と協議しながら、そのあり方などについて、今後検討してまいりたいと考えております。  次に、非正規雇用労働者等の長期高度人材育成コースの創設についてでございます。  国の働き方改革実行計画におきましては、個人の学び直しへの支援として、人材需要の高い分野の長期の離職者訓練コースを新設・拡充するとされているところでございます。これを踏まえ、国におきましては、本年六月、専修学校等の民間教育訓練機関等を活用した委託訓練の実施に係る実施要領を改定し、正社員就職を希望する非正規雇用労働者等が国家資格等の高い知識及び技能の習得を目指すことを支援し、正社員就職の実現を図るため、長期高度人材育成コースを創設したところでございます。このコースは、一年から二年にわたる長期の訓練により、介護福祉士や保育士、一定レベル以上のIT技術者資格等の取得を目指す内容となっているところでございます。  次に、外国人技能実習制度についてでございます。  現行の技能実習制度は、入国管理法に規定する在留資格により、開発途上国等の外国人を一定期間在留させ、国内企業等での技能実習を通じて、開発途上地域等への技能移転を図る制度として、平成五年に創設されたものであり、主要な受け入れ方式となっております団体監理型におきましては、非営利の監理団体を通じて受け入れた技能実習生に対し、受け入れ企業等で技能実習が実施されているところでございます。  さらに、国におきましては、技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護を図るため、昨年十一月、いわゆる技能実習法を制定したところでありまして、その主な変更点といたしましては、技能実習生を受け入れる監理団体の許可制や技能実習計画の認定制及び実習実施者の届け出制をそれぞれ導入するとともに、さらに、一定の場合には、技能実習期間をこれまでの三年間から最長五年間まで延長できることとなっているところでございます。 61 ◯企画部長(東條広光君)専門職大学等の制度内容についてのお尋ねであります。  産業構造が急速に転換する中、国は、すぐれた専門技能等をもって新たな価値を創造することができる専門職業人材の養成が急務であるとし、専門職を担うための実践的かつ応用的な能力を育成・展開することを目的とする新たな高等教育機関として、専門職大学と専門職短期大学の制度を創設したところであります。専門職大学等は、農業分野など特定職種における業務遂行能力の育成に加え、職業分野に関する教育等を通じ、高度な実践力等を培う教育に重点を置く点に特色があるとされているところであります。 62 ◯農政部長(川野敏彦君)農業大学校の専門職大学・短期大学化についてでございます。  農業大学校は、技術と理論の総合的な実践教育に取り組んでおり、学校教育法に基づく専修学校に位置づけられております。今回、学校教育法の一部改正により設けられる専門職大学・短期大学では、高度な実践力と豊かな創造力を兼ね備えた人材育成の強化が図られるものと考えております。  今月八日には、設置基準に関する省令が示されたところでありまして、県といたしましては、この設置基準等で示された教員の資格や配置、求められる研究内容や水準、新たに必要となる施設整備の内容などの分析を進め、専門職大学化等に伴う効果や課題等について整理したいと考えております。    [瀬戸口三郎君登壇] 63 ◯瀬戸口三郎君 知事の答弁をいただきました。  私は前伊藤知事とは交流があり、特に五時以降は大変親しくつき合いをさせていただいておりました。私は、前知事とは全く違った道を歩いてきておりましたので、前知事の高いレベルの話についていけずに、私はローカルでしたので話が全くかみ合わないことが多かったのが、かえって仲がよかったのかもしれません。  そんな知事が落選されて、知事最後の日の前日に私に三つのことを話されました。  一つは、「瀬戸口、新知事の足を引っ張るようなことは自民党県議団もしないでくれ。行政は継続であるから」。二つ目に、「十二年前に私が就任したときと、離島や中山間地と鹿児島市との格差がこんなに開いているとは私も知らなかった」。そして三つ目に、「知事がかわっても、本県の職員は私が知る限り全国の中でも最も優秀な軍団である」と言われたのは、今でも忘れません。  そんなとき私は、酒の飲み会でしたので、「もっと早くそんなことを言えばよかったのに、私のひとり言を聞く耳を持たなかったからこんなことになったんでしょう」と私はひそかにつぶやきました。三反園知事も、職員を信じ、県民を信じ、県民目線で今後とも、け死まずに頑張っていただきたいと思います。  次の質問に入ります。  畜産の振興について。  和牛のオリンピックとして五年に一回、和牛の日本一を決める和牛能力共進会が宮城県仙台市であったということをたくさんの同僚の方々も話されておりました。全国三十九道府県から過去最多の五百十三頭が出品され、総合順位で本県が悲願の日本一に輝きました。  前回の長崎の屈辱を晴らすため、生産者を初めJA、県の皆様の並々ならぬ努力の成果であり、心より関係者の方々に敬意を表したいと思います。  また、県民の皆様の関心も高く、一般県民も心からの応援を送り続けていることが、県のフェイスブックの閲覧数がわずか一日で三万一千九百九十五件と、「二〇一三年に投稿を始めて以来、最高である」と報道されていることを見てもよくわかります。  本県は、全九区に二十九頭を出品し、四つの区で一席をとったほか、出品した全ての牛が上位六席以内に入賞いたしました。また、高校生の部で市来農芸高等学校が全国五位に入賞し、高い評価を受けました。先輩であります。  私たち畜産議連のメンバーも、会場で多くの県内関係者と応援させていただきました。若雄一区の県肉用牛改良研究所の二頭の牛が入場し、審査が始まり、上位に進むごとにスタンドが息をのむ緊張感で、そして最終一席にのぼったときには全員が涙する感激に浸りましたことに、知事を初め、関係者に改めて感謝申し上げます。  名実ともに日本一になった本県の和牛です。今後、これをどう生かすかが大きな課題であると思われます。  そこで、知事は、今回の日本一をどのように評価し、活用していかれるのか、伺います。  優勝して、いよいよ五年後は本県での開催が決定しております。和牛の大会は一、二年では準備できません。授精して出品までは最低三年、四年の月日がかかるわけですので、また、次期大会へすぐに取り組まねばならないと思いますが、次回鹿児島大会へ向けての決意をお伺いいたしたいと思います。  和牛生産の基礎は、育種であります。いかに質の高い種雄牛を育成するかということは大変重要であります。私は、今回の大会、そして現在の本県の和牛生産を牽引している県肉用牛改良研究所の功績と高く評価するものであります。しかし、改良には終わりはないのです。今後、もっとレベルの高い取り組みが必要です。研究には人材と時間、そしてお金がかかります。  肉用牛改良研究所のこれまでの育種改良の取り組みにより、優秀な種雄牛が造成され、第十一回全共宮城大会でもその産子が全国から多数出品されておりました。今後も、県内の肉用牛農家の経営発展のために、継続して優秀な種雄牛を育てる必要があります。  そこで伺いますが、最近の県有種雄牛の精液が県内で供給された本数と、県内の人工授精に占める県有種雄牛の割合をお示しください。  また、県財政状況が厳しい中ではありますが、種雄牛造成に十分な研究予算が必要だと考えます。  そこで伺いますが、肉用牛改良研究所のここ数年の研究費の状況をお示しください。  さて、肉用子牛価格は、肉用牛農家の高齢化などを背景に、全国的な肉用牛繁殖雌牛の減少から、一頭当たり平均八十万円前後の価格で推移しております。一方で、酪農家においては、乳価が思うように上がらないことから、和牛の受精卵を乳牛に移植して和牛子牛を生産して販売し、収入源とする取り組みが進んでいると聞いております。  本県においては、肉用牛繁殖雌牛の頭数が平成二十一年をピークに平成二十七年まで減少し、平成二十八、二十九年は若干増加しているようです。本県の肉用牛生産基盤のさらなる強化のためにも、酪農家の乳牛から和牛子牛を生産する取り組みが必要だと思います。  また、酪農家においても、高齢化を背景に全国的な乳用後継牛の不足が続いており、乳用後継牛価格の高騰が続いていることから、酪農家からも、優良な乳用牛の受精卵や性判別精液の活用により、優良な乳用後継牛を確保する取り組みが必要だという声を聞きます。性判別精液というのは、雄雌を分けた精液であります。  そこで伺いますが、酪農家での和牛子牛生産や、優良な乳用後継牛の生産を推進する取り組みについてお示しください。  次に、林業振興についてお伺いいたします。  林業においては、御承知のとおり、林業の生産はもとより、国土の保全、水資源の涵養など多様な機能を有しており、地球温暖化防止に貢献する森林と林業・木材産業の成長産業化による地方創生への県民の関心も久しぶりに高まってきております。  また、県でも、平成二十三年三月には鹿児島県森林・林業振興基本計画の改定を行い、林業・木材産業の再生を図ることとし、十年後の木材生産量百万立方メートルを目指すとされ、鋭意努力されてきております。木質バイオマス発電やツーバイフォー部材生産の大型工場の進出、東アジアに向けた県産材の輸出の急増など、目を見張るものがあります。  しかしながら、木材価格の低迷や生産コストの上昇等、厳しい環境に変わりはありません。  そのようなことを踏まえ、県議会では鶴薗委員長を中心に条例作成が急がれておりますので、私は、二つに絞って質問します。  我が国の人工林は伐期を迎えています。今後、いかに利用するかが大きなポイントであると思います。そのような中に、先日、地方紙でCLTを使った集合住宅の記事が出ておりました。全国でも三月現在で四十四施設が施工され、また、海外では、CLT等の新たな木材の登場により、木材建築ブームが広がっていると聞いております。そのため、本県としても木材の利用をより進めるべきと思います。  また、林野庁においても、今年度予算の中で新たに、林業成長産業化地域創出モデル事業が創設されました。切って、使って、また植えるという森林資源の循環利用を図るための施策であろうと思います。全国四十五地域からの提案があり、十六地域が選定されたと聞いております。  その中で、本県の大隅地域が選定されたことは大変喜ばしいことです。国の選定に当たり、大隅地域では、地域の事業体が原木安定供給協定を締結し、原木流通の効率化を図るとあります。  そのような中、今回の補正予算に一千四百五十万円計上され、今後五年間の事業が始まると思いますが、その取り組み内容と今年度の事業の内容について伺います。  そして、この事業で期待される効果は何であるのか、伺います。  一方、近年の集中豪雨や台風で山林が崩壊し、下流域まで含めての大きな被害が続出しております。さきの北部九州の大雨では、かつてない規模の災害が発生したとの報告もありました。治山事業の重要性を感じるきょうこのごろであります。  特に、大隅半島は、雨の侵食を受けやすいシラス土壌が広く分布しており、昨年の台風十六号にも見られるように、これまでも豪雨による災害がたびたび発生しております。三日前、曽於市でも農道が、また大きく山林が崩壊したと聞いて、大変心配しているところであります。  今後もこのような災害が発生するおそれがあると思いますが、シラス土壌地帯における治山事業の対応策について伺います。  次に、地域の医療確保について伺います。  「当市では、近隣市町と協働して曽於地域の医療確保対策に努めているところです。鹿児島県地域医療構想によりますと、二〇二五年に曽於医療圏の病床必要量は、高度急性期の病床必要量十七床であるのに対し、既存病床はありません。また、曽於医療圏における医療機能ごとの完結率は全体で七一・二%、高度急性期一九・八%、急性期四二・四%、回復期四七・四%、慢性期六七・八%と、全項目で県内最下位であります。  曽於地域が依存していた都城市郡医師会病院は、平成二十七年四月に移転し、曽於市民の受診の利便性が著しく悪化し、都城市内の民間病院へ依存せざるを得ない状況にあります。  また、曽於地区消防組合の救急搬送の状況は、収容所要時間が平成二十五年の四十四・二分から年々延長してきており、平成二十八年は五十・九分となっております。圏域別患者流出率は、入院・入院外とも県内最下位であります。  曽於地域での医療環境の改善に特段の配慮を賜りますようお願いいたします」。  これは、途中少し抜きましたけれども、平成二十九年三月七日、曽於市長より三反園知事に出された要望書の一部であります。  今ありましたように、私たちの地域では救急車を数年前に、今までなかった旧末吉町と大崎町に配備し、レスポンスタイムを一分でも一秒でも短縮しようと、各一台ずつ配備してまいりました。しかしながら、現在では、休日や夜間になりますと、救急車が到着してから収容は以前より大分早くなりましたが、患者を収容して三十分あるいは四十分、現場から出発できないのであります。消防署に聞きますと、多いときには十件を超える病院へ電話することもあると聞きます。市としても対応に大変苦慮しているところであります。  そのようなとき、昨年十一月、県外から曽於市に救急クリニックを開業したいという話があり、市長も市民も大変喜んだのであります。新聞やテレビでも放映され、曽於市民の子供から大人まで、場所まで知ることになりました。しかしながら、なかなかその手続が進まず、実現できずに現在に至っております。  こんなことがあってよいのでしょうか。県は、今まで地域医療の改善に尽力されてきましたが、このような状況をどのように理解されているのか。私どもも同じ県民なのです。医療は他県に頼ってくれと言うのでしょうか。一秒一刻を争う患者に死んでくれと言うのと同じではないでしょうか。  知事、県として、もっと真剣に解消に向けて取り組むべきではないかと思います。知事が取り組むべき最重要課題であろうと思います。ぜひ、現状を調査して前向きな検討はできないか、お伺いするものであります。  最後に、一般県道の改良について。  私は、県議会の中で再三取り上げてまいりましたけれども、同僚議員が、やはり道路行政については毎回訴えないとなかなかやってくれないということでございますので、あえて質問させていただきます。  財政状況の厳しい中で、本県の一般道路の改良はなかなか進まず、十年以上も未着手の路線が大半であります。  交通量の多い路線が優先順位が最も高いのは理解いたします。しかし、道路建設には夢を持たなければならないと思います。道路を新設したりあるいは改良することで、バイパスを通したりすることで、沿線やその先に住宅や商店等が集まってきます。地域発展に大きく寄与する道路行政であろうと思っております。  先日、曽於市で開催されました、知事と農業経営者との意見交換会の中でも、近年の農機具やトラックの大型化のため県道で離合できない箇所が多くあり、改良の要望もたくさん出ていました。  県では、道路を整備するに当たり、全面的な改良ではなく、狭いところなどを局部改良したり、離合場所をつくるなどの、費用が少なくて済む一・五車線的整備もなされていると聞きますが、今後これを進めていくべきだと思いますが、その考えについてお伺いいたします。    [知事三反園 訓君登壇] 64 ◯知事(三反園 訓君)全国和牛能力共進会についてであります。  第十一回全国和牛能力共進会宮城大会におきまして、本県から出品した鹿児島黒牛が全九部門のうち四部門で一位を占め、全ての部門で入賞するという快挙をなし遂げました。総合でも団体賞一位となり、悲願の日本一の栄冠に輝くことができました。  このことは、出品農家の皆さんの日ごろの御苦労、そして懸命の努力を初め、全国和牛登録協会県支部、県経済連、JAなどの関係機関・団体、県議会の皆様を含めて、畜産王国鹿児島の底力を見せようという、チーム鹿児島として一体となって取り組んだ成果であると考えております。  県といたしましては、この機会を逃すことなく、日本一の鹿児島黒牛の称号を前面に打ち出し、国内におけるかごしまブランドを確立するとともに、さらなる輸出拡大に努め、生産農家の所得の向上につなげてまいりたいと考えております。  そうした中で、台湾向けの牛肉の輸出が解禁されることになりました。早速、JA経済連グループがきょう発表しましたけれども、九月二十八日、台湾向けに出荷するということが決まりました。そしてナンチクも十月五日、台湾へ向けて、これは私も台湾でお会いしましたけれども、食肉事業者のキーパーを通じまして、そこに輸出するということが決まりました。今後とも、こうした取り組みで台湾への牛肉輸出へ向けて最大限努力してまいりたいと考えております。  五年後の平成三十四年に本県で開催される第十二回大会に向けては、八月三日の全国和牛登録協会理事会におきまして、霧島市牧園地区が開催地として正式に承認されたところであります。  第十二回大会に向けては、参加各道府県とも、日本一を目指してさまざまな対策を強化してくることが予想されております。県といたしましては、今大会以上の対策に取り組むこととしております。既に今年度から、候補となる優良な繁殖用の雌子牛を県内に保留する対策、出品条件に対応した肥育技術の実証など、さまざまな課題について取り組んでいるところであります。肉用牛改良研究所においては、超音波肉質診断技術等による指導を強化することとしております。  今後、第十一回大会の検証も進めながら、さらなる改良と出品対策に取り組み、必ずや連覇を果たし、日本一の鹿児島黒牛のブランドを確固たるものとしたいと考えております。  また、宮城大会は四十一万人の来場者数があったと聞いております。鹿児島大会は、明治維新百五十周年や鹿児島国体に続く大きなイベントとなりますことから、県内外から訪れる多くの方々に鹿児島をアピールする絶好の機会であるとも考えております。  県といたしましては、鹿児島大会を通じ、本県の魅力を最大限に発揮できるよう、全力で万全の準備を進めてまいりたいと考えております。 65 ◯農政部長(川野敏彦君)肉用牛改良研究所についてでございます。  肉用牛改良研究所では、二十四頭の種雄牛を飼育しており、定期的に精液を採取・凍結保存し、家畜人工授精師を通じ、県内の畜産農家に供給しているところです。  同研究所の種雄牛精液の供給本数は、平成二十三年度は約四万九千本でしたが、市場での評価の高まりに伴い、平成二十八年度には約十四万五千本と三倍程度まで増加しており、人工授精に占める県有種雄牛の割合も一七%から五三%に増加しております。また、同研究所では、バイオテクノロジーを活用した受精卵移植や、肉質、オレイン酸などのうまみ成分に関連する遺伝子解析などの先端技術を駆使した優良種雄牛の造成等に取り組んでおります。  最近の同研究所の予算の推移については、五年前の平成二十四年度が約一億一千二百万円、平成二十九年度が約一億六千四百万円となっており、ここ数年増加してきております。  酪農振興についてでございます。  酪農経営においては、配合飼料価格の高どまりなどから厳しい経営を迫られており、経営の安定を図るために、乳用牛に黒毛和種を交配し、乳用種に比べ市場価格の高い交雑種の子牛を生産する農家がふえております。  このような状況を踏まえ、県では、今年度から新たに、酪農生産基盤強化対策事業を創設し、県肉用牛改良研究所が生産した和牛受精卵を酪農家に供給することにより、さらに市場価格の高い黒毛和種の子牛生産を推進し、経営の安定を図るとともに、県内の肉用牛生産基盤の強化を図ることとしております。あわせて、優良な乳用後継牛を確保する必要もありますことから、県酪農組合が実施する受精卵移植技術を活用した後継牛確保の取り組みを支援しているところです。  今後とも、県酪農組合など関係団体と連携してこれらの取り組みを推進し、本県酪農経営の安定と生産基盤の維持・拡大に努めてまいります。
    66 ◯環境林務部長(古薗宏明君)林業成長産業化地域創出モデル事業についてであります。  この事業は、地域の森林資源の循環利用により、多くの雇用や経済価値を生み出す地域を林業成長産業化地域として選定し、地域独自の取り組みに対する助成や施設整備の優先採択など、重点的な支援を行うものであり、本県の大隅地域が選定されました。  大隅地域におきましては、今後、路網の整備や高性能林業機械の導入等による木材生産の低コスト化や、供給者と需要者間の協定に基づく木材の効率的・安定的な供給体制の構築を図るとともに、CLTやツーバイフォー住宅部材等の需要拡大に向けた方針の策定や普及促進などに取り組むこととしておりまして、五年間の具体的な取り組み内容を盛り込んだ地域構想を先般取りまとめたところであります。  今年度は、高性能林業機械の導入や森林GISの整備を支援するとともに、効率的な木材流通体制の整備に向けた検討や、再造林の促進に向けた取り組みなどを実施するため、今議会に提案しております補正予算案に所要の経費を計上したところであります。  今後、同構想に基づく事業を実施することによりまして、目標年度である平成三十三年度には、平成二十七年度と比べまして雇用者数が三割、木材生産量が四割増加し、再造林率が八割まで上昇することを目指しており、大隅地域の林業の成長産業化の実現に向けまして、木材生産量の増大はもとより、林業・木材産業の収益性の改善や森林資源の循環利用等が図られるものと考えております。  シラス土壌地帯における治山事業についてであります。  本県は、県土の大半がシラス等の特殊土壌に覆われており、梅雨期や台風等の集中豪雨により山地災害が起こりやすい状況にありますことから、シラス土壌に適した治山事業の実施が求められます。例えば、深く侵食された渓流には治山ダムを階段状に配置し、勾配の緩和を図ることによりまして、縦横侵食を防止するとともに土砂の流出防止を図っております。また、荒廃した山腹斜面には基礎部に土どめ工を配置し、階段状の切り土・盛り土工を施工することによりまして、雨水を分散させ、斜面の安定を図っております。これらに加えまして、樹木植栽等による森林の復旧を速やかに行うことにより、災害防止機能の向上を図っております。  今後とも、市町村と連携を図りながら、シラス土壌に適した治山事業の実施に努めてまいります。 67 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)曽於保健医療圏の救急医療の現状等についてであります。  曽於保健医療圏における救急医療については、在宅当番医制や夜間急病センターなどによる初期救急、曽於医師会立病院や救急告示医療機関などによる二次救急の体制が構築されております。しかしながら、同医療圏においては救急患者の半数以上が管外へ搬送されており、救急搬送に要する時間も長いといった課題があるものと認識しております。  このような状況を踏まえ、まずは地元の自治体、消防、医師会等の関係者において、救急医療の現状や課題等について十分協議され、共通認識を持っていただくことが重要ではないかと考えております。  県といたしましては、地元関係者による協議の状況を踏まえるとともに、地域における急性期等の医療機能の分化・連携について協議いたします地域医療構想調整会議の場も活用しながら、同医療圏における救急医療体制の確保に努めてまいりたいと考えております。 68 ◯土木部長(渡邊 茂君)県道における一・五車線的道路整備についてでございます。  交通量の少ない山間部の県道の整備におきましては、地域の実情に応じ、極力現道を活用しつつ交通の安全を確保するため、急カーブの解消や待避所の設置、一車線整備、二車線整備などを組み合わせた一・五車線的道路整備は有効な手法であると考えており、本県では現在、八カ所を整備中であります。  また、本手法は、農村部の幅員の狭い道路などにおいて、近年の物流車両の大型化に対応した道路整備を早期に進める上でも効果的であると考えております。  県といたしましては、厳しい財政状況の中、コスト縮減や事業効果の早期発現などの観点から、一・五車線的道路整備も活用しながら、引き続き、地域の実情に応じた道路整備に努めてまいります。 69 ◯瀬戸口三郎君 自席から、今の答弁に対して一つだけ確認させていただきたいと思いますが、保健福祉部長が言われました、「地元の協議を待っている」という話でありますけれども、その中で一番話が出ているのが、「救急クリニックができると地元の医療費が高くなるよ」という話があってなかなか、そんな話もたくさん出ていると聞いておりますが、実際川辺に救急クリニックができて、隣接する三つの市町で高くなっているのか、変わらないのか。わかっていたらお示しください。 70 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)川辺のほうに、特例診療所ということで救急の特例診療所ができております。その後、詳細に情報をつかんでいるわけではございませんが、地元の市が国保の会計を持っておりますので、そこにお聞きした段階では特段、特例診療所、救急クリニックができたということでの増減は余りないというお話は伺っております。    [瀬戸口三郎君登壇] 71 ◯瀬戸口三郎君 御答弁いただきました。  畜産振興については、ただいまありましたように、日本の牛肉が待望の台湾に輸出できることになりました。全国の産地が売り込みに必死であります。知事は、いち早く八月上旬にはみずからトップセールスに出かけられたと聞いており、今、報告があったところでありますけれども、そういったことを、これからも輸出拡大を重ねてお願いするものであります。  また、県内でも、観光客が鹿児島に来たらどこでも鹿児島の牛肉が食べられる環境をつくることが、また鹿児島の畜産の発展に貢献するのではないかと思いますので、いろいろな業界とも力を合わせながら、鹿児島に来たら牛肉が食べられると、そういう環境づくりにも力を入れていただきたいと思います。  肉改研につきまして、私は同僚から、種つけ師と呼ばれることがありますが、それは間違いでありまして、家畜人工授精師でありますので、自民党の皆さん、御理解いただきたいと思います。  そういうことで私も牛に携わっておりましたので、和牛改良については少しわかります。現在、本県の子牛生産用の精液の大半を占める肉用牛改良研究所の精液の販売については、民間と同じように、精液の代金を生産された子牛が販売された時点で納付するシステムに変えることで、肉用牛改良研究所の研究費の財源確保ができると思っております。  知事、今こそチェンジではないでしょうか。民間並みの価格ではなく、例えば民間の半分の価格にしても収入はふえて、新しい研究費に活用できると思います。ぜひとも、県有種雄牛も民間種雄牛と同じように、精液の代金を生産された子牛が販売された時点で納付するシステム、いわゆる後納システムに変更できないか、再度検討してくださるよう要望しておきます。  林業振興につきましては、今急がれております条例が早く成立し、本県林業振興に大きな前進になることを期待いたしております。  きょう訴えてまいりました曽於の医療については、私が述べたとおりで、地域住民の熱望であります。人の命はどこに住んでいても平等です。一日も早く安心して暮らせるように県当局の尽力をお願いするものであります。  魚釣りに例えれば、今、大きな魚を釣り上げようとしているところであります。知事は船長です。素早くタモを差し伸べてください。釣り外した魚は大変大きいと思われるからであります。知事の許可でありますので、達成できるまで何回もこれからも質問してまいりたいと思います。  県道改良において、財源をしっかりして夢のある道路行政を進めていただき、地域の振興につながる改良をお願いしたいと思います。  知事、変わるべきことは勇気を持ってチェンジしていただき、本日の私の質問については、再度申し上げますが、ぜひ一回のチェンジで進めていただくようにお願い申し上げます。  安倍総理が衆議院の解散を表明されました。私たちは責任政党として公明党とともに、日本の将来を危うくしないように一生懸命頑張ることをお誓い申し上げ、私の一般質問とさせていただきます。  ありがとうございました。(拍手) 72 ◯議長(柴立鉄彦君)これで、本日の日程は終了いたしました。       ───────────── 73    △ 日程報告 ◯議長(柴立鉄彦君)明日は、午前十時から本会議を開きます。  日程は、一般質問であります。       ───────────── 74    △ 散  会 ◯議長(柴立鉄彦君)本日は、これで散会いたします。        午後三時十六分散会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...